Xのフォロワーが33万人超えのメンヘラ大学生の短編小説集。年末年始にこたつでうたた寝しながら読めるおすすめ短編小説5選
年末年始はいかがお過ごしだろうか。忙しい台所仕事の隙間時間でも、こたつでうたた寝をしながらでも読める短編小説を、2023年にダ・ヴィンチWebで紹介した本から5冊ピックアップする。
まとめ記事の目次 ●神と黒蟹県 ●猫はわかっている ●わたしに会いたい ●君に選ばれたい人生だった ●夜を走る トラブル短編集
●神と黒蟹県
『神と黒蟹県』(絲山秋子/文藝春秋)
故郷を思い出したり、故郷に帰ったりする人も多いことだろう。『神と黒蟹県』(文藝春秋)は、絲山秋子の連作短編小説である。地方都市「黒蟹県」に異動してきた女性、三ヶ月凡の登場から物語は始まる。黒蟹県は、異動を知った同僚から「黒蟹県とはまた、微妙ですね」と言われてしまうほど地味で、特に際立った特徴のない土地柄である。彼らと入れ替わりに出てくるのが、タイトルにもある「神」である。物語が進むにつれ、登場人物たちが繋がっていく。彼らの生活を刻んだ温かい連作だ。
●猫はわかっている
『猫はわかっている』(文藝春秋)
もしかしたら、あなたも猫と一緒に過ごしているかもしれない。アンソロジー『猫はわかっている』(文藝…