「コロナ禍を客観視し、なるべく気持ちを入れずに書きました」マンボウやしろ初小説『あの頃な』インタビュー
舞台やドラマの演出・脚本家、TOKYO FM『Skyrocket Company』のラジオパーソナリティーなど幅広く活躍しているマンボウやしろさん。お笑いコンビ・カリカ時代から異才を発揮してきたやしろさんが、初小説『あの頃な』(角川春樹事務所)を上梓した。収録されているのは、新型コロナウイルスをモチーフにした25本の短編。ひねりの効いた毒気のあるショートショート、心温まるストーリー、脚本形式の短編など、変幻自在の作風で読者の頭と心をかき乱してくる。執筆時の苦労、初小説への手ごたえなどについて、やしろさんにお話をうかがった。
(取材・文=野本由起 撮影=島本絵梨佳)
コロナに対する幅広い意見を、客観視して描いた短編集
――舞台やドラマの脚本家として活躍するやしろさんですが、意外にもこれが初小説なんですね。小説というジャンルに挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
マンボウやしろさん(以下、やしろ):お声がけをいただいたから、ですね(笑)。脚本はずっと書いてきましたし、いつかは小説も書いてみたいなと思っていましたけど、そもそも僕はそんなに小説を読ん…