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地図男 (ダ・ヴィンチブックス)

地図男 (ダ・ヴィンチブックス)

地図男 (ダ・ヴィンチブックス)

作家
真藤順丈
出版社
メディアファクトリー
発売日
2008-09-03
ISBN
9784840124164
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地図男 (ダ・ヴィンチブックス) / 感想・レビュー

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ゆのん

【カドフェス2019】直木賞受賞作『宝島』がとても良かったのでデビュー作を読んでみた。何とも不思議な物語。地図帳を持ち彷徨う男。地図帳の中は彼が紡ぐ物語でギッシリ埋まっている。作中作が秀逸で釘付けになった。361

2019/11/26

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

自らが紡ぎだした土地ごとの物語を大判の関東地域の地図帳に書き込む“地図男”。偶然、彼と知り合った主人公がその物語を読み、そこに隠された謎に迫っていく。その発想自体は興味深かったし、作中で語られる地図男の紡いだ3つの物語もそれぞれに奇妙な味わいがあり、サクサク読み進めることはできる。けれど、それだけという感じ。謎めいた地図男の抱える内面と、地図男の作品とのつながりがいま一つつかめず、全体としての物語の深みというものを感じることはできなかった。作中作も含めてもう少し掘り下げられそうな作品だっただけに残念。

2012/07/07

さっとる◎

君を呼ぶ声が届いているのにこんなに遠い。地図を開けばたった数センチの距離が届かない。届かない?届いてる。ねえ。ねえ。覚えてる?覚えてる。覚えてる。どこにだって君がいる。そこが僕のリアルだ。二次元にされた凸凹の、余白を読んでなんてスカした態度は黙殺にきまってる。余白なんて皆殺しで埋めてやる。僕は、君に語りたい。僕は、君を語りたい。どの頁にも物語が溢れ出す。それは希望の氾濫で、祈りの軌跡だ。さあ次はどこに行こう。何頁に飛ぼう。遠くから近くから、君の周りを回る素敵な物語。でも一番素敵なのはそこに君がいることだ。

2021/05/16

kariya

地図帳を手に各地を歩き回り、その地に纏わる物語を書き込む謎の男。地図男の発想と「語られる」物語の二重構造は面白く、また饒舌ギリギリ手前の文体が読みやすい。先に読んだ「庵堂三兄弟~」の時も感じたけど、この人の文章は非常に映像的で、視覚と聴覚双方のイメージを読み手に喚起したいのかと思う(この方向の進化形が、古川・舞城ラインかと)。あの結末ならもう少し書き込みが欲しいが、お涙頂戴に持っていかず、地図帳のあちこちに付箋やメモで書き込まれた物語同様に捉えどころがないのが、この話の形なのかも。

2009/08/01

ちはや@灯れ松明の火

此処であって此処でない場所、地図帖の中。現実と紙一重の紙の中に広がる町を歩けば其処彼処に転がってる物語の断片。僕等が歩けば物語は生まれ、僕等が走れば物語は進む。点が線になり伸びて交わって途切れて繋がって軌跡が地図を塗りたくる。騙し絵って知ってる?違う角度から見てごらん。地図上で一見無秩序に絡み合う線を辿れば何かが見えてくるからさ。

2009/08/11

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