サークルの女神をストーカーから救え! オタクボーイの暴走する恋模様を描いたノンストップ青春ストーリー
『きみがいた世界は完璧でした、が』(渡辺優/KADOKAWA)
恋なんて大概が自己中心的。目の前の相手をまっすぐ愛せているかというと、怪しいものばかりだ。自分の期待を相手に押しつけてしまうのはよくあること。結局は独り相撲。勝手に妄想して、勝手にこちらが突っ走っていただけだったというのは、片想いをしたことがある人の多くが経験するところではないだろうか。
『きみがいた世界は完璧でした、が』(渡辺優/KADOKAWA)で描かれるオタクボーイの恋も、まさに暴走気味。一途すぎるために、ちょっぴり狂気じみてさえいるその恋の行方に目が離せなくなってしまう1冊だ。
主人公は、ゲームオタクの大学生男子・日野春人。彼は偶然訪れたサバゲーサークルの新歓で宮城絵茉に恋をした。絵茉は、日野が中学時代に熱中していたゲームのヒロイン・エリナにそっくりなのだ。だが、2度告白するもあえなく玉砕。フラれた彼は、絵茉を遠くから見守ることにした。絵茉のSNSを逐一チェックする中で、日野は、彼女に対して不穏なコメントを残すアカウントの存在に気づく。さらには、サークルの部室に、絵茉の盗撮写真…