小説家・湊かなえの苦闘の日々…“イヤミスの女王”の素顔に迫る、作家生活15周年記念本
日本を代表する小説家・湊かなえがデビューしたのは、2008年のこと。今年は彼女の作家生活15周年に当たる年だ。我が子を校内で亡くした女性教師の復讐劇を描いた『告白』(双葉社)で鮮烈なデビューを飾り、『少女』(早川書房)、『贖罪』(東京創元社)を…
日本を代表する小説家・湊かなえがデビューしたのは、2008年のこと。今年は彼女の作家生活15周年に当たる年だ。我が子を校内で亡くした女性教師の復讐劇を描いた『告白』(双葉社)で鮮烈なデビューを飾り、『少女』(早川書房)、『贖罪』(東京創元社)を…
「令和最高の衝撃、感動作」として話題を呼んだ湊かなえのミステリー『落日』がWOWOWで連続ドラマ化される。「裁判」と「映画」という2つのワードから湊かなえが着想したこの物語は、一体どのように映像化されるのだろう。北川景子、吉岡里帆、竹内涼真——豪…
自分の理想の姿くらい自分で決めたいし、自分の幸せだって、自分で決めたい。太っていても痩せていても、一重でも二重でも、背が低くても高くても、当人が幸せならば、それでいいはずだ。だが、「美」から外れているものは、それだけで不幸に思える。どうし…
ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』で息の合ったバディとして活躍した戸田恵梨香さんと永野芽郁さん。ふたりが母娘として再共演することで注目を集めているのが、11月に公開される映画『母性』です。原作は湊かなえさんの同名小説『母性』(新潮社)…
『未来』(湊かなえ/双葉社) イヤミスの女王・湊かなえの作品は、まるでパンドラの箱だ。一度ページを開けば、そこからは人間の悪意や憎悪など、ありとあらゆる厄災が飛び出してくる。それなのに、先を読む手を止めることができない。後味はなんとも悲しく…
〈田舎町に住む女の子が、大量のドーナツに囲まれて自殺したらしい。 モデルみたいな美少女だとか。 いや、わたしは学校一のデブだったと聞いたけど――。〉 プロローグとも言いがたい、本編が始まる前のたった3行。それだけで謎と悪意、そして真実は主観によ…
単行本と文庫本合わせた累計部数は358.7万部。松たか子主演で映画化されたデビュー作『告白』をはじめ、湊かなえさんの小説が軒並み映像化され、国内にとどまらず海を越えて支持されるのは、そこに「人間」が描かれているからだと思う。優しくされて嬉しいと…
湊かなえ氏は“反転”を描く作家だ。人は誰しも自分だけの物語を生きている。よかれと思っての言動が、誰かを苦しめるだけの結果となるのはよくあることだ。だが、一部の人間関係だけでなく、自分の信じてきた物語が、信じて何十年と生きてきた正義が、真逆の…