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女ひと: 随筆 (岩波文庫 緑 66-4)

女ひと: 随筆 (岩波文庫 緑 66-4)

女ひと: 随筆 (岩波文庫 緑 66-4)

作家
室生犀星
出版社
岩波書店
発売日
2009-05-15
ISBN
9784003106648
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女ひと: 随筆 (岩波文庫 緑 66-4) / 感想・レビュー

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アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

女が好き、女の脚が好き、どんな女の中にも美を求めてやまない室生犀星の女ひとについての随筆集。/虫も殺さぬやさしい性質の人が恐るべき偉大な脚をかくしていることに、たくさんの例があった。/前をとおる女達のスカートと脚とが、きものの縞が生きてうごくような文様に見えて来て愉しいものであった。/ 明治の男性たちにとって、それまで着物で隠れていた女性の脚が見えたことは衝撃的な出来事だったのでしょうね。(着物の上からでも想像して楽しんでいたようですが……。)

2015/10/13

ソングライン

私はつねづね六十歳をすぎたら、女のことなぞ気になるまいと思っていた。そう語る作者が、青年の頃にも増して女性に惹かれる心情を表わした随筆です。隠すことがなくなった現代女性の二の腕、ふくらはぎの美しさの発見、幼きときの家の中でみえてしまう姉の肢体への憧れ、そして世界を敵に廻したヒトラーの愛人との最後への共感等、老年となってもなくならない色気に驚き、頷く読書です。

2021/09/30

せんむ

文字通り、老若男女に読んで欲しい。男性ならあるある、では無いでしょうか?女を通して自分(著者)を見たり、俳優を取り巻く姿の女の様子を描いたり…女の哀まで愛してくれている感じ。

2014/03/31

shinano

人は老成していくと自分に必要なもの自分にとってありがたいもの、自分という人間の主観的・客観的容姿や性癖などが本当に判ってくるようだ。だがそれを言葉で表わし味のある文章や詩で語れるかどうかは心眼の程度も含めて能力なのかもしれないと思わせてくれたのが、この「女ひと」であった。自虐風に己の顔を徹底的にくさしておいて、でも男にとって絶対に女は必要なのだ、どんな女でも必ず美しいものがあり、そして女はあわれをも持っている、などなどを犀星は心から言っている。独断的な部分もあるが嫌味にならず可笑みが隠れてもいたのだ。

2011/04/24

★★★★☆(装幀は小林古径の「つゆぐさ」。晩年の犀星復活の契機となった作品で犀星独特の女性観を中心に綴った随筆集。犀星の根っこというのか、女性に対する思いを、こう改めて賛美・告白されると男の読者は少々浮き足立ってしまうのではなかろうか。それをこうも堂々と主張するのにある意味変な凄みすら感じてしまう<笑>。しかし第一印象はともかく、犀星は本人が悩む以上に好い(味のある)顔をしていると思うけれど・・これもここでは女性からの目や言葉でなければ犀星にとって意味はないのかもしれない。「廃墟の学問」が面白い。)

2013/04/30

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