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隣室のモーツアルト

隣室のモーツアルト

隣室のモーツアルト

作家
藤堂志津子
出版社
文藝春秋
発売日
2011-04-20
ISBN
9784163804903
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隣室のモーツアルト / 感想・レビュー

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あつひめ

共通点は独り身の年を重ねた女。なんの飾りもない現実がそこに並べられたような気がした。その飾り気がないのに細々とした感情を並べられるのが藤堂さんだと思う。藤堂さんの描く女性はビシッと一本筋が通っている。年を重ねると一人の時間が自分を包んで握りつぶすような…寂しさもあるのかな。不安とか…。これは他人事じゃないわ…と思いながら読んだ。おもかげが一番気に入った。人に気にかけてもらえる生き方をしたいなとも感じた。男も女も異性の存在を忘れたら心も体も枯れてしまう。人も愛という水が必要なのかも。

2014/01/21

きのこ

好きよ。すきなの、が良かった。5編とも45歳を過ぎた女性の人生描写で、どれも著者の実体験がなにかしら織り込まれてるらしい。心身ともに脂が乗り切った年代の女性達、味わい深かった。

2015/05/13

onasu

おひとりさま50代女性5名のあれこれ。藤堂さんらしい作品です。  よく読んでいたのは、ひと昔前。その頃30代くらいだった女子たちも、暫く読んでいなかった間に、相応のお年頃に、て案配か。それはそれでよく、手にすれば、やはりすっと入り込んでしまう。  現役で恋愛に焦燥するような話しではないが、仄かにその臭いもさせ、老い先を視野に入れつつも、枯れてはいない。そこいらの藤堂さんの作品らしいキャラぶりがいい。  作品は粒揃いも、しいて上げるなら、表題作。昔の男が隣の病室に入院してきた、て設定で一本取られてます。

2014/07/03

nyanco

女好きな夫を持つ妻の心情や、日常生活の中にあるふとしたことがきっかけとなって心がほろこびていく様子とか…藤堂さんの描く、そんな描写がとても好きでした。女性目線から描いた夫婦の問題や、恋愛に惑わされるどうしようもない人達の感情や様子を描いてこられた藤堂さんは、私の人生の少し先を歩く先輩であり、道標でもありました。最近、藤堂さんの作品に「老い」や「晩年」「死」といったものが描かれるようになってきました。とても切実な問題で、必ず私の人生の先にもあることなのですが…続→

2011/05/23

ヱビス

40、50代の独身女性5人の、男との出来事集5話。どうしてそんな男に振り回されてしまうのかと思えるけど、女性たちも独り身で、この先も一人で生きていく不安、寂しさがあって、うろうろしてしまっている。とても歯がゆい。幸薄い話の連続で滅入りそうだけど、この年代の女性の内面が覗けたようで、先を追ってしまった。「好きよ。すきなの」良かった。意表を突かれたけど、当然とも言える結果でとてもすっきり。どの話でも語尾に ッ が多く付く。おばさんの象徴なのか、気になる。「そんな男、いるわけないのよッ」というように。

2022/03/26

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