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賢治先生

賢治先生

賢治先生

作家
長野まゆみ
出版社
河出書房新社
発売日
1995-10-01
ISBN
9784309010151
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賢治先生 / 感想・レビュー

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優希

世界観がとても好きです。賢治が妹を探す旅と『銀河鉄道の夜』が交錯しているようでした。明治末期の雰囲気と星座や鉱石のきらめきが美しいです。宮沢賢治の描く童話の世界同様、幻想的でした。この雰囲気を心に刻み、大切にしたいという思いになります。

2017/03/03

紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎

賢治先生が汽車に乗っている。何て素敵な設定。わくわくする。カムパネルラじゃなくカムパネッラ。ジョバンニじゃなくジョヴァンナ。元のお話『銀河鉄道の夜』を読んだばかりだから比べて少しズレてて面白い。共通のワードに生真面目なジョーク。カムパネッラの学校の替え歌が好き。この物語を読むことによって『銀河鉄道の夜』に光が深みが増したよう、益々好きに。賑やかな旅も終盤はやっぱり悲しい。宮沢賢治はあの物語を描くことでまるで自分の死後旅する汽車を用意してたみたい。きっと今も銀河鉄道を旅してる。賑やかな質問攻めにあいながら。

2014/09/08

ポップ

まるで、賢治先生自ら書いたような文体です。「銀河鉄道の夜」をモチーフに2人の少年や乗り合わせの人たちと交流する物語。汽車の中では、質問に答えないといけません。何を探しているのでしょうか。北にはなかったので南へ向かうようです。菫色の砂糖菓子、レオノチスの蜜とスコッチクッキー、生姜蜜いりの苹果パイ、凍緑の菓子、どれも甘くておいしそうなものばかり。「ポラーノの広場」「ビジテリアン大祭」「恋と病熱」などなど、引用も多彩で本作から賢治作品を読むきっかけにもなりそうですね。

2018/09/30

二藍

車窓から見る冬の銀河は白くけぶるようで、星が凍っているみたいだ。ジョバンナとカンパネッラ、ふたりの奇妙な少年と乗り合わせた賢治先生の旅は、どこへつづいているのか。「これから質問に入ります」とはた迷惑に問いかけを繰り返すカンパネッラと、少女的な雰囲気と口調をもつジョバンナ。ミステリアスなふたりに加え、美しい幻想が入り混じるのでうっとりくらくらする。汽車の中のシーンも好きだけど、最後の方の凍った星の降る教室のシーンもよかった。『銀河鉄道の夜』をちがった視点で楽しめる一冊。

2014/08/06

柚桜

長野まゆみ的「銀河鉄道の夜」でした。相変わらずの長野ワールド読んでいても場面がころころ変わったり、時間が先に進んでいるのか戻っているのかふわふわとした浮遊感が常にあるお話でした。時たま挿し込まれている短い誌がこれまた世界観を包み込むような存在になっている。私は一番最後の詩一番が心に残りました。

2014/08/09

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