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千年王子

千年王子

千年王子

作家
長野まゆみ
出版社
河出書房新社
発売日
2001-06-01
ISBN
9784309014142
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千年王子 / 感想・レビュー

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優希

長野まゆみさんのSFを読むのは初めてでした。今まで読んできた中で1番過激な作品です。直接的な表現が多いものの、下品な感じはなく、美しい世界に溶け込んでいました。「ボディ」と「スピリット」の根本的な認識が異なる1000年後の世界だからかもしれません。男性が妊娠するのも不思議じゃないのでしょう。「機能的に女の男」が鍵なのだと思います。同性愛なのでしょうが、神話のような雰囲気がありました。

2015/10/28

藤月はな(灯れ松明の火)

継承争いでの身の潔白を明かそうと旅する王子。一方、ボディを衣服のように交換でき、女は希少となり、女の生殖機能を果たすφを持つ男子が住む近未来的世界。それが互いに交じり合う時、千年、願い続けた願いが明らかになる場面が胸に残りました。記憶を失っても短い命で生き続け、何度も転生するリオンと記憶を持ち続けるシンヤ。願い乾いた光に満ち溢れた砂漠のような物語。蛇が象徴する意味にドキドキし、雄の三毛猫(=希少価値)のような少年や体格のいい男ほどその真価を隠したがる長野まゆみ作品の特徴に思わず、笑ってしまいました。

2012/08/15

まゆら

長野まゆみ中期のSF作品。繰り返されるループ、何度も同じ運命を繰り返す少年達の宿命。相変わらず生々しい表現はないけど、性的な部分の置き換え表現がややこしや(笑)妊娠設定があって男性のお腹が膨らむのは私の想像力では厳しかった(・_・)長野まゆみ作品は印象的な薫りが文章から漂ってくるけど、今作はオレンジが印象的です。オレンジとチョコレートのフレーバーの紅茶だとか、ミルクオレンジカシスのスフレ、シトラススウィートだとか柑橘類が多いのはつまり妊娠してるから酸っぱいものが食べたいということかしら?官能的でクラクラ。

2014/03/04

波璃子

幻想に浸りたくて長野ワールドを度々訪れてしまう。長野作品では初めてのSF。男性が妊娠する要素があり「猫道楽」と同じくらいの過激さがあるがこれは同性愛というよりは神話の雰囲気に似ていると思った。文庫化してほしい。

2015/09/04

冬見

女性の人口が男性の人口の数パーセント程度にまで減った時代。少年たちの通うワールドツアー校は新学期を迎え、プログラム選択が始まる。おかしなプログラムをインストールしてしまったぼくと、ギリギリ人間のリヨン、最下位教官のシンヤ、神出鬼没の謎の青年レイジ。千年にわたる円環の物語。◆『新世界』シリーズのような読み心地。SF。隠語をふんだんに使っているけれど、内容としてはかなり直接的。長野まゆみはついに少年だけの世界を作ってしまった。

2019/09/14

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