注目の新刊 『ドラゴンフライ』 ダ・ヴィンチ2013年11月号
二子玉川で発見された惨殺死体。臓器を抜かれ、黒焦げになった被害者はトンボの飾りのネックレスを着けていた。警視庁捜査一課の鏑木らは、手がかりを追って群馬県に向かう——。『デッドマン』の衝撃再び。捜査×推理の面白さを満載した警察ミステリー。
二子玉川で発見された惨殺死体。臓器を抜かれ、黒焦げになった被害者はトンボの飾りのネックレスを着けていた。警視庁捜査一課の鏑木らは、手がかりを追って群馬県に向かう——。『デッドマン』の衝撃再び。捜査×推理の面白さを満載した警察ミステリー。
角川書店では8月~10月、「角川新人賞祭2012」と題し、3つの文学新人賞を通じて将来性豊かな6人の新人作家を送り出すためのキャンペーンを展開中だ。ダ・ヴィンチ電子ナビでは、3ヶ月連続でそれぞれの新人賞受賞者を紹介していく。 今月は、貴志祐介『黒い家』、岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』などエンターテインメント界を揺るがす話題作を送り出してきた日本ホラー小説大賞。今年度も個性抜群の2作品が大賞と読者賞に輝いた。大賞受賞者・小杉英了さんと読者賞受賞者・櫛木理宇さんにインタビューをおこなった。
取材・文=朝宮運河 写真=首藤幹夫
第19回日本ホラー小説大賞 大賞&読者賞
大賞 小杉英了 「死」を追体験できるホラー 『先導者』
読者賞 櫛木理宇 初の読者賞は青春ホラー! 『ホーンテッド・キャンパス』
第32回横溝正史ミステリ大賞(ダブル受賞)
河合莞爾 あの名作に挑んだ野心作 『デッドマン』
菅原和也 心に刺さる青春ノワール 『さあ、地獄へ堕ちよう』
第3回野性時代フロンティア文学賞(ダブル受賞)
古川春秋 生き残るのは誰だ! 目まぐるしく展開するハイスピードバ…
東京都内で次々と発見される他殺死体。事件現場からは頭部や手足、胴体など、身体の一部が持ち去られていた。警視庁捜査第一課の鏑木は、警察の威信をかけて犯人を追うが、なかなか手がかりが掴めない――。 第32回横溝正史ミステリ大賞受賞作『デッドマン』は幻想的な謎と、驚天動地のトリックを兼ねそなえた本格ミステリーの王道をゆく作品だ。応募の経緯についてうかがった。 かわい・かんじ●熊本県出身。早稲田大学法学部卒。某出版社に勤務し多忙な日々を送るかたわら、ミステリー小説を執筆。2012年、初めて新人賞に応募した作品『デッドマン』で第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビュー。 「定年後もずっと続けられる趣味が欲しいと小説を書きはじめました。若い頃は仕事に忙殺されて、そんな時間はなかったですから。外に出すつもりはなかったんですが、唯一の読者である家内が『面白いよ』と誉めてくれた。じゃあ賞に出してみようかな、と思ったのがきっかけです」 奥さんの反応を見ながら、約一年かけて完成させた作品は、新人賞初応募にして見事、横溝賞大賞を射止めた。受賞を知った時は…
『さあ、地獄へ堕ちよう』で横溝正史ミステリ大賞を受賞した菅原和也さんは、24歳。高校を中退した後、和食料理店、ピアノバーのバーテンダー、キャバクラのボーイと職業を変えながら、小説を執筆してきたという異色の経歴をもつ。 「学校にはほとんど行かず、部屋で本を読むか、音楽を聴いているかの10代でしたね。ミステリーが好きで、小説もちょこちょこ書いていました。今回、横溝賞に応募したのは馳星周さんが選考委員をしていたから。馳さんは『漂流街』を読んで以来の大ファン。ああいう救いのないノワールの世界に憧れます」
すがはら・かずや●1988年茨城県生まれ。高校を中退後、料理人、バーテンダー、キャバクラのボーイなどの職業を経験。2012年、SM、身体改造などを扱ったノワール『さあ、地獄へ堕ちよう』で第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞。 経歴も異色なら、作品もまた異色だ。 主人公のミチはSMバー《ロマンチック・アゴニー》でM嬢として働きながら、薬とアルコールに溺れる日々を送っていた。ある夜、客とトラブルを起こしたミチは、同僚・リストの部屋に泊まることに。そこ…
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