本当のことなど知らないほうが幸せ!? 美少女テレパスが容赦なくえぐりだす家族の実像
知らなければ良かったことって、けっこうありますね。 知りたいと願うけど、知ったことで必ずしも幸せになるとは限らない。 それどころか… 本書は、『時をかける少女』や『パプリカ』『富豪刑事』等で知られる作家・筒井康隆の人気シリーズ第一作『家族八景』のマンガ版。美少女テレパス(人の心を読み取る超能力者)の七瀬が家政婦として訪れる八つの家庭の内情と、そこで巻き起こるできごとが、狂言回し役である七瀬の目を通して描かれるのですが、これがまあどのご家庭も余すところなくおぞましい(笑)。 たとえば、うわべだけの家族のありさまを描いた『無風地帯』。なんとこの家の父と息子はともに、同一の女性と関係を結んでいます。しかも息子はそれを知っていながら、ことに及んでいるときている(…一話目にしてなんたる設定!)。しかし相も変わらず、平穏な家族ごっこを続ける彼ら。 潔癖家の七瀬は、とにかくこーいうの許せないタチらしく、この父子の醜悪な関係を露呈させるべく、なんと家族全員の前である大胆な企みを実行しようとします(彼らも彼らだけど、七瀬ちゃんアナタも…