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誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論 (岩波ブックレット 1064)

誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論 (岩波ブックレット 1064)

誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論 (岩波ブックレット 1064)

作家
五十嵐太郎
出版社
岩波書店
発売日
2022-06-03
ISBN
9784002710648
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誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論 (岩波ブックレット 1064) / 感想・レビュー

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けんとまん1007

まさに、今の時代の象徴。SDG’Sとか、ウェルビーイングとかを推進しているようで、それは、あくまでファッションの一部であり、表面的ではないかと思っている。この愛所アートに象徴されることを隠すためではないか。排除を前面に立たないような表現であり、却って、底意地の悪さがある。分断すること、場所を無くすことは、いずれ、その対象が広がっていく。意識してもあれば、意識ないままの場合もあるのかもしれない。寛容の精神を、少しでも取り戻すにはどうすべきかを考えたい。

2022/11/04

えりまき

2023(146)やりきれない。公園のベンチの仕切りはホームレスが眠れないようにあるというのは聞いたことがありますが、お金を使うなら仕切りを作るのではなく、ホームレス支援に使って欲しい。臭い物には蓋をする社会はただの弱者いじめ。

2023/05/27

生ハム

「他者を排除した先にあるのは、誰にも優しくない都市空間だ。」私達はそういう、公共の場から特定の他者を意図的に排除することは、できるのでしょうか。 そんなに私達と「特定の他者」は立場が異なるのでしょうか。街角でよく見かける「手すりのついているベンチ」。あれは、利便性のためにデザインされたのではなく、路上生活者がそこで寝ないための意図が含まれているはず。でも、行政はそれを決して公言しない。なぜならば、公共の施設だから。表立って言えないからこそ、その「逃げ口上」としてアートを使う。アートは分かりにくいものだから

2022/08/03

C-biscuit

図書館で借りる。ここ2、3年のコロナ禍によりホームレスが増えているようである。また、都市の再開発により居場所がどんどんなくなっている。ホームレスの人を排除するかのようにベンチで寝っ転がれないように肘かけをつけたり、凸凹にしたりと機能性やデザインを向上させながらそういう取り組みがなされている。ホームレスばかりでなく、スケートボードができないようなデザインなどビル管理側もいろいろと敷地から排除する仕組みを導入している。そこから排除しても場所が変わるだけで根本的な解決にはならない。こういう視点も興味深い。

2022/07/17

coolflat

ベンチは座るためのものである。だが通常は複数人で座る事も想定し細長くなっている事によって、その上部で寝そべる事も可能だ。これは本来、意図されていなかった用途かもしれない。だが行き場を失ったホームレスにとっては冷たい地面の上で寝ないですむ台として活用できる。そこで座るという役割だけを残して、寝そべる事を不可能にしたのが仕切り付きのベンチだ。ベンチを寝床がわりにするホームレスの人が増えた98年頃からつけるようになったという。90年代から自己責任論が跋扈し、ホームレスは迷惑な存在として排除の対象となったのである

2023/01/01

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