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男どき女どき (新潮文庫)

男どき女どき (新潮文庫)

男どき女どき (新潮文庫)

作家
向田邦子
出版社
新潮社
発売日
1985-05-28
ISBN
9784101294049
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ジャンル

男どき女どき (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

短編と随筆からなる作品集。短編も中身が凝縮されており無駄がない。日常の生活にある緊迫感が読んでいて引き込ませる。随筆も実に滋味深い。メモを着けた文章が沢山ありました。「独りを慎しむ」で自由のあまり、慎みがなくなるのも共感出来た。独り暮らしの長い私も気を付けねばいけない。明治生まれのご両親による「壊れたと壊したはちがう」、「無口な手紙」、「黄色い服」が実に良い。自立心と責任を学ぶことが出来る。そのまま、今の時代にもあてはまるかは分からないが、通じるところはあると思う。多くの方に支持されるのも納得の作品集。

2019/02/02

ykmmr (^_^)

「オトコが得か?」、「オンナが得か?」と時に考える事がある。どちらでもそれぞれ、役割もあり、一長一短な気がするし、時代も『多様性』を重視だし、身近にもそういう人がいる。作者曰く、「何事も成功する時は”男どき〝、巡り合わせが悪い時を”女どき〝。」という。確かに、男女の『性格』が合わさる時の『歪み』がそうなのかな?と。「壊したのと、壊れたのは違う。」確かにそう。「自分の責任⇔不可抗力。」という事。そんな彼女の『哲学』と『人生経験』・『父からの教え』が組み込まれた4篇の小説と後半、『随筆』で固められた遺作。

2023/02/26

YM

いきなり台所にバケツが置かれていて、その中に生きた鮒がいたらびっくりするわなあ。。でも、その理由を家族の中で自分だけは知っている。鮒吉…。それなりに生きてくると、誰でもドラマチックなことってあるよなあ。僕も今の自分を2ヶ月前には想像できんかった。これから2ヶ月後の自分もまた想像しきれない。だから人生はおもしろい。生きてるからこそ。痛いことも、嬉しいことも。生きてるからこそなんだ。

2015/03/08

じいじ

向田邦子の形見となった作品集。4短篇小説と21エッセイを収載。とりわけ短篇は、理屈抜きに面白かった。一男一女の家族四人の朝の団欒を描いた【鮒】。微笑ましい場面が映像になって浮かんできます。私的には、結婚5年目、今か今かと一家を挙げて二世誕生を待ちわびる【嘘つき卵】が断然好きです。妻は「二人で一日も早く病院に検査に行こう」と急かします。しかし、夫は「子供は授かりもの、慌てるな」と、煮え切りません。さて、この夫婦に子供は…? 不慮の飛行機事故が悔やまれます。『男どき女どき』の第2弾が読めないと思うと…尚更に。

2022/02/06

ふじさん

再読。向田邦子の最後の作品。Ⅰ「鮒」「ビリケン」「三角波」「嘘つき卵」は、どれも普通の人々の心の機微を巧みに描き出した読み応えのある短編だった。どんな平凡な人生にもある、喜怒哀楽を感ずる一瞬の生の光芒を巧みな文章で描いた短編やエッセイは、何にも代えがたい財産だ。

2021/06/21

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