「2023年本屋大賞」決定!! 大賞は凪良ゆう『汝、星のごとく』 全ノミネート作の順位を発表!

文芸・カルチャー

更新日:2023/4/12

凪良ゆうさん
『汝、星のごとく』で「2023年本屋大賞」を受賞した凪良ゆうさん

 全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2023」の受賞作が4月12日決定した。

 20回目となる今回のノミネート作品10作の中から大賞に選ばれたのは、凪良ゆう氏の『汝、星のごとく』(講談社)

2023年本屋大賞受賞作 『汝、星のごとく』(凪良ゆう/講談社)

『汝、星のごとく』(凪良ゆう/講談社)
汝、星のごとく』(凪良ゆう/講談社)

【あらすじ】
風光明媚な瀬戸内の島。高校時代に恋人同士になった暁海と櫂。卒業後、次第に広がるふたりの間の溝……。途方もない痛みを抱えながら、それでも自分の人生をつかもうとあがくふたりの姿は、きっと、不器用で正しく生きられない私たちにとって、新たな救いとなるに違いない。

【著者プロフィール】
凪良ゆう●京都市在住。2007年に初著書が刊行されデビュー。BLジャンルでの代表作に21年に連続TVドラマ化された「美しい彼」シリーズなど多数。17年に『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。19年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。同作は22年5月に実写映画が公開された。20年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。本書は約2年ぶりの長編となり、第168回直木賞候補、2022王様のブランチBOOK大賞、キノベス!2023第1位などに選ばれている。

▶【本書のレビューはこちら】「誰も自分の人生の責任を取ってはくれない」――『流浪の月』凪良ゆうが描く、“正しく生きられない”人々の救いのような物語

 

翻訳小説部門の大賞はわれら闇より天を見る』(クリス・ウィタカー:著、鈴木恵:翻訳/早川書房)

われら闇より天を見る
われら闇より天を見る』(クリス・ウィタカー:著、鈴木恵:翻訳/早川書房)

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気になる残り9つのノミネート作品は?

2位『ラブカは静かに弓を持つ』(安壇美緒/集英社)

ラブカは静かに弓を持つ
ラブカは静かに弓を持つ』(安壇美緒/集英社)

【あらすじ】
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……。

▶【本書のレビューはこちら】武器はチェロ、潜入先は音楽教室…読む人の心を感動で満たす“スパイ”ד音楽”小説!

 

3位『光のとこにいてね』(一穂ミチ/文藝春秋)

光のとこにいてね
光のとこにいてね』(一穂ミチ/文藝春秋)

【あらすじ】
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
――二人が出会った、たった一つの運命。切なくも美しい、四半世紀の物語――

▶【本書のレビューはこちら】『スモールワールズ』を超える感動作⁉ 運命に導かれ、運命に引き裂かれるひとつの愛に惑う2人の物語! 一穂ミチ最新作

 

4位『爆弾』(呉勝浩/講談社)

爆弾
爆弾』(呉勝浩/講談社)

【あらすじ】
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

▶【本書のレビューはこちら】爆弾魔が人間の本性に火をつける! 内に秘めた悪意を炙り出すノンストップ・ミステリー『爆弾』

 

5位『月の立つ林で』(青山美智子/ポプラ社)

月の立つ林で
月の立つ林で』(青山美智子/ポプラ社)

【あらすじ】
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

▶【本書のインタビューはこちら】「人との見えないつながりを大切にしたい」“月”と“ポッドキャスト”がモチーフに。青山美智子新刊『月の立つ林で』インタビュー

 

6位『君のクイズ』(小川哲/朝日新聞出版)

君のクイズ
君のクイズ』(小川哲/朝日新聞出版)

【あらすじ】
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

▶【本書のレビューはこちら】なぜ、問題が読み上げられる前に回答できる? 知識量より、“クイズに正解する能力”が必要。クイズ観が一変する小説!

 

7位『方舟』(夕木春央/講談社)

方舟
方舟』(夕木春央/講談社)

【あらすじ】
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

▶【本書のレビューはこちら】衝撃の結末でミステリーランキングを席巻中! 極限状況で“生贄”となる犯人探しを描く極上ミステリー

 

8位『宙ごはん』(町田そのこ/小学館)

宙ごはん』(町田そのこ/小学館)

【あらすじ】
小学校に上がる時、「産みの母」と暮らし始めた少女・宙は、母親らしくないその姿に強いショックを受ける。そんな宙に手を差し伸べたのは、商店街のビストロで働く「やっちゃん」。彼は、宙のために毎日とびきり美味しいごはんを用意し、話し相手にもなってくれて……。

▶【本書のレビューはこちら】不器用な母娘をつなぐ美味しいごはん…涙なしには読めない栄養満点小説『宙ごはん』

 

9位『川のほとりに立つ者は』(寺地はるな/双葉社)

【あらすじ】
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

▶【本書のレビューはこちら】「馬鹿な子だ」というレッテルは、その子の成長の芽を摘みかねない。寺地はるなの新作『川のほとりに立つ者は』は他人を尊重する大切さを再認識させる傑作だった

 

10位『#真相をお話しします』(結城真一郎/新潮社)

#真相をお話しします
#真相をお話しします』(結城真一郎/新潮社)

【あらすじ】
YouTube、マッチングアプリ、リモート飲み会、精子提供…。令和らしいトピックと「どんでん返し」ミステリーとを見事に掛け合わせた短編集。

▶【本書の試し読みはこちら】すべてはあの日から始まった。小3の夏休み、同級生からYouTuberに誘われて/#拡散希望【全文公開①】

 

「本屋大賞」に選ばれた作品は、全国の書店で実際に働く書店員の方々が「この本を読んでほしい!」と投票したおすすめの一冊。あなたはどの本から読んでみますか?

本屋大賞公式サイト

本屋大賞公式サイト ▶https://www.hontai.or.jp/

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