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短編小説のレシピ (集英社新書)

短編小説のレシピ (集英社新書)

短編小説のレシピ (集英社新書)

作家
阿刀田高
出版社
集英社
発売日
2002-11-15
ISBN
9784087201659
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短編小説のレシピ (集英社新書) / 感想・レビュー

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Kanonlicht

名だたる小説家の短編作品がどのような発想をもとにつくられたかを、短編小説の名手である著者が自分の創作手法を交えつつ解説する。小説家には自分の「工房」があり、手にした素材(見聞きしたもの)が同じでも、工作機械によって別の物語になるという話はなるほどと思った。同じテイストの小説を書き続ける小説家はさながら一つの技術を極めた職人で、ミステリーもSFも純文学もいける小説家はたくさんの加工技術を持つ工場。小説が書けない人は、工房の道具が足りなくて素材を加工できないと考えると確かにしっくりくる。

2024/03/26

還暦院erk

図書館本。スイスイ読了。しかし、これでまた読みたい本が10冊くらい増えてしまった!まずはR.キール『キス・キス』(早川書房)か。阿刀田さんの各短編についての寸止め説明が絶妙で、すぐさまそのお話を最後まで知りたくなるんだこれが。

2019/06/01

chie

冒頭、短編小説の存在理由が述べられていて、なるほどと肯きはしたものの、一言でまとめるとなると、頭を抱えてしまいます。アンソロジーとかオムニバスが編集しやすいのは、短編小説の魅力の一つだろうなと思います。この本は阿刀田さん自身も含めて10人の作家の作品が俎上にのせられ、阿刀田さんの手によってさばかれています。それぞれの作者がどんな生涯を送り、それがどう作品に絡んでいるのか簡潔に紹介されているのが興味をそそられました。私は読んだことのない本ばかりでしたが、どれもこれも原作を味わってみたくなりました。

2019/02/23

MIKETOM

短編の名手、阿刀田が短編の魅力を書いた本。文学史に残る短編の名手たちとその代表的作品を取り上げてあれこれ解説をしていく。向田邦子、松本清張、ポー、芥川龍之介、R・ダール等々。このアイデアはこういう発想を経て得られたとかこういう思考法で練られたとか、短編小説家らしい視点からの解説が具体的でよかった。ラストに取り上げたのが阿刀田自身であるのが面白い。短編に生涯を捧げたような阿刀田による短編賛歌であり読書家へ向けた短編のPR書でありもっと短編が広く読まれますようにと祈った本。

2018/04/30

シャル

タイトルの通り様々な作家の短編小説を、書き手の立場から分解して、楽しみ方や短編小説としてのツボや根底にある心理、さらにはどのように書かれたのかの技法まで解きほぐしてゆく一冊。この筆者特有の読者視点かつ対象物に対してはどことなく恐れを知らない上から目線ぽくもある軽妙な語り口は、上手く読み手の懐に入り込んできて、語っている内容はなかなか踏み込んだ部分であるにもかかわらず、どこか親しみやすさを覚えさせ、短編小説そのものとの距離も縮めてくれる。まさに短編小説を読む人も考える人も書きたい人も楽しめる本。

2014/08/05

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