読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

千の扉 (中公文庫)

千の扉 (中公文庫)

千の扉 (中公文庫)

作家
柴崎友香
出版社
中央公論新社
発売日
2020-10-22
ISBN
9784122069756
amazonで購入する Kindle版を購入する

千の扉 (中公文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ゆきらぱ

さすが〜面白い。大阪弁の千歳が新宿の巨大な古い団地で新婚生活を送り始めるのだが、千歳の立場から見ると東京の人たちって何考えてるかわからないなあと感じてしまう。千歳も心細かろうと思ってしまった。しかし千歳はそんな素振りは見せずに期限付きの住まいでの暮らしを楽しんでいた。この話にはたくさんの人物が出ては人生の一部分を見せてくれる。それらはお互い知らないままですれ違ってゆく。こんな風に世の中で人生は重なるんだなと感じた。

2020/11/27

ゆうすけ

著者の本は初めてです。装丁がとても素敵で、題名もいい。非常に静かな小説で動きもあまりない。主人公の造形もどこかぼやけている。記憶と重なる部分がある。千歳という名前もちょっと変わっているな。その主人公は大阪の団地で生まれ育ち、今は新宿の戸山団地で暮らしている。夫である一俊の印象もどこか朧げ。場所はほとんど同じですが、時間は戦後から現在から結構頻繁に変化するのでちょっと戸惑うことがあるかもしれません。あれこれはいつなのだろうかと。はじめて読むタイプの物語ですがとても良かった。落ち着いた気持ちになります。

2020/11/21

バジルの葉っぱ

わたしも子どもの頃公団の団地で育ったので、自分の記憶とも重なりいろいろと甦る光景があった。 これは戸山の都営住宅がモデルですね、そして公園の中の山は箱根山といわれてるいろいろ曰くのあるあそこですね。たまたまその辺りによくいくので容易に風景が目に浮かぶ。 同じ間取りの一つ一つの部屋にいろんな人がいろんな過去を背負っていろんな事情を抱えて生きている。 そして団地周辺のその土地にも歴史がつもり重なってきていることに思いを馳せることができた。

2020/11/20

お寿司🍣

ものすごく静けさを感じる物語。高橋さん探しと言えばなんだかわくわく躍動感のある話なのかなと思うけれど、柴崎友香だからそんな愉快な展開ではないだろうと思い、読みながら安定感のある切なさと親しみやすさが入り交じった心地好さにうっとり。空気のような千歳の性格と行動力に振り回されつつ、かつて経験した懐かしい事柄に思いを馳せる情景描写の上手さに驚く。終わらないでほしいけれど、必ず終わりを感じてしまう寂しさがなんともいえない。なぜこんなに間の使い方が絶妙なんだろう。

2020/11/04

こまいぬ

主人公がバブルを謳歌したとおぼしき世代の人に、違和感を話す場面がとても印象に残っている。大きな事件は起こらないけれど、小さな事件はいくつもおこる。いろんな人にいろんな人生があって、時間が重なって会うはずがない人が会っていたり見えたりする。ざっくりいうと人探しの物語。でも、主人公とその周りの人たちの大変だったり少しうれしかったりする物語のなかに浸っていることが心地よいようなそういう小説だった。

2020/10/31

感想・レビューをもっと見る