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千の扉 (中公文庫)

千の扉 (中公文庫)

千の扉 (中公文庫)

作家
柴崎友香
出版社
中央公論新社
発売日
2020-10-22
ISBN
9784122069756
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千の扉 (中公文庫) / 感想・レビュー

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ゆきらぱ

さすが〜面白い。大阪弁の千歳が新宿の巨大な古い団地で新婚生活を送り始めるのだが、千歳の立場から見ると東京の人たちって何考えてるかわからないなあと感じてしまう。千歳も心細かろうと思ってしまった。しかし千歳はそんな素振りは見せずに期限付きの住まいでの暮らしを楽しんでいた。この話にはたくさんの人物が出ては人生の一部分を見せてくれる。それらはお互い知らないままですれ違ってゆく。こんな風に世の中で人生は重なるんだなと感じた。

2020/11/27

エドワード

あけましておめでとうございます。空間に堆積する時間に思いをはせる、柴崎友香さんの真骨頂。新婚の一俊と千歳の夫婦は、骨折した一俊の祖父・勝男が暮らす団地の一室でしばらく暮らすことになる。勝男が四十年以上暮らす、三十四号棟まである巨大な団地、これは新宿区戸山ハイツだな。勝男から、団地に住む昔の知人を探してと頼まれた千歳が、興味の赴くままに発見したのは、千の扉の向こうの夥しい暮らしの記憶だ。一俊の両親、道俊と圭子、祖母の花江等、現在と過去を行き来して描かれる、戦後70年の生活の層の厚さ、優しい眼差しが印象的だ。

2021/01/02

ぱなま(さなぎ)

いつも工事ばかりしている街に住んでいて、同じ場所の話をしていても会話が噛み合わないことがよくある。作中で千歳の言う「人の中にある記憶の景色が見えたらな」という言葉にどきっとする。焼け野原から都市を作り上げ、また「再」開発されていく街。その七十年をずっと見てきた世代と、いましか知らない世代と、これからの街を見続けていく世代とが同時に生活している、いま。別の時代の同じ場所にいた誰かの人生が、自分の人生と重なる瞬間。

2021/03/27

ちぇけら

現在にも過去はあり、過去にも未来がある。不意に目の前の光景が、なんでもない数年前の(時には数十年前の)景色とシンクロするように。だけど世界は(世界、というのは少し強引な言い方だ。あなたは嫌いだろうか)過去なんてなかったような顔をして動いている。ふと開かれた歴史の1ページで、あなたの体重を心地よく思う、その瞬間が”今″だということが温かい。そんな”今″が、アルバムをめくるように巻き戻されてしまったら。この気持ちも、存在しなかったことになるのだろうか。あなたを思う、その感情というのは曖昧だ。眩暈がするほどに。

2021/03/30

kumako

三世代に渡る、様々な登場人物の人生が描かれていて、すごく盛り上がるようなシーンはないものの夢中で読みました。最年長の勝男はもちろんのこと、最年少の中学生・メイにも悩みや気がかりな事があって、でも最後には勝男のようにさよならしてしまうのは呆気ないようでもあり、開放されるようでもありました。

2021/07/31

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