読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ガーデン (文春文庫)

ガーデン (文春文庫)

ガーデン (文春文庫)

作家
千早茜
出版社
文藝春秋
発売日
2020-08-05
ISBN
9784167915407
amazonで購入する Kindle版を購入する

「ガーデン (文春文庫)」の関連記事

生きづらさを抱えた現代人に潤いをもたらす感動作『ガーデン』が文庫に!

本日発売の「文庫本」の内容をいち早く紹介! サイズが小さいので移動などの持ち運びにも便利で、値段も手ごろに入手できるのが文庫本の魅力。読み逃していた“人気作品”を楽しむことができる、貴重なチャンスをお見逃しなく。 《以下のレビューは単行本刊行時(2017年5月)の紹介です》

 魂は必ずしも体とともにあるわけではないらしい。

 本書『ガーデン』(千早 茜/文藝春秋)の主人公・羽野は、東京に住み、出版社で編集者として働きながらも、その魂は幼き日々を過ごしたアフリカの地の「楽園」に留まったまま。文字通り「心ここにあらず」の日々を過ごしている。

 乾季と雨季しかない国で、そこだけはいつも変わらぬ緑が溢れていた旧居の庭――「楽園」は、こんな風に描かれる。 蛇がバナナの幹を這い、トカゲが石の上で銀色の腹を波打たせながら日光浴をする。庭師が伸びすぎた枝を長鋏でぱちんぱちんと切り落とす。その枝が芝生で跳ねてゆっくりと転がる。辺りに漂う樹液の青い匂い。 描写はさらに続くが、読み進めるうちに紙面から花や果実の芳香、そして草いきれが立ち上ってきた気がして、思わず深呼吸して…

2020/8/5

全文を読む

関連記事をもっと見る

ガーデン (文春文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

あすなろ

物足りぬと言えば物足りぬ。ても、そんな男を描きたかったのかとも思う。植物が好きな、というか想いを寄せる主人公に匂い・音・生命を五感を使って感じさせて語らせる。もう一味欲しいと言えばそうとも言えるし、これはこれで良いとも言える、僕にとっては不思議な作品だった。

2020/11/01

rui

創られた自然に名前を付けるとしたら? 手入れの行き届いた植物と誰の手にも触れられていない自然。どちらがどうとか比べるものではなく見る者によってその気配や美しさは異なる。この主人公は呆れるほど臆病。屁理屈を掻き出しながら自分が傷つかないように、自分が痛まないように、そればかり。目をそらしてきた自分の顔は輝かしい水面にどう映るのかな。

2021/06/25

きなこ

主人公は、幼少期に過ごした発展途上国の、外界と切り離された安全な庭からいつまでも出られなくなったように見える。理解や共感には限界があると人と深く接点を持とうとしない、人を見下すような態度の彼を好きになれなかったな。彼に関わる女性たちの生々しさが、彼の無機質さをより強調しているようでした。とはいえ鬱蒼とむせ返るような緑の描写や、それを偏愛する主人公の心理描写に読まされました。自己肯定は自分でしなきゃ、という考えが少し寂しい。彼が自分の庭を壊して出ていくのか、何も求めず庭に留まり続けるのか、気になります。

2021/04/30

楽駿

品川図書館本。人と人との繋がりは、自分自身の心を揺らめかすので、何処か一線をおいてつきあおうとしている羽野。傷つくのなら、むしろ深入りせずに、適度な距離で全てを受け入れていく方がまし。けれど、それって、誰も受け入れていないって事、気がついたのかな?植物は、文句も言わない。与えたお世話の分だけ、美しい花を咲かせる。ドキリとしたのは、犬や猫も一緒かな?愛した以上に愛情を返してくれる動物たち。きちんと言葉で伝える手段があるのが人。だからこそ、面倒くさい人間関係も、言葉をきちんと紡げば、伝えようがあるのかも。

2020/12/17

よっさん

一人が好きな人はいる。他人の煩わしい部分が見えるくらいなら、寂しさは少し我慢して、一人でいる方がマシだと思う人だ。主人公の羽野は、そんな人間のように思える。寂しさを紛らす為に、彼の部屋には無数の植物達が「飼育」されている。植物達は生きる為に、羽野に要望をしてくるが、彼はそれに応えることで、生命の欲望を支配している。手に負える程度の欲望だ。結局自分だけを好きな幼い人間に映る。人の気持ちに応えること。究極は、人の喜びが自分の喜びになること。それこそが生きる価値じゃないかと思うが、彼は最後に気づけたのだろうか…

2020/12/03

感想・レビューをもっと見る