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さんかく(祥伝社文庫ち3-1) (祥伝社文庫 ち 3-1)

さんかく(祥伝社文庫ち3-1) (祥伝社文庫 ち 3-1)

さんかく(祥伝社文庫ち3-1) (祥伝社文庫 ち 3-1)

作家
千早茜
出版社
祥伝社
発売日
2023-10-12
ISBN
9784396350147
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さんかく(祥伝社文庫ち3-1) (祥伝社文庫 ち 3-1) / 感想・レビュー

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えみ

美味しいねって一緒に食事をすること、それはもう究極の愛情表現だと思うけれど…違いますか?其々の想いと決断は決してマイナスのものではない。これが幸せの結果だと結論が出たはずなのに、前向きなこだわりが切なくなる。大人だから拗れる。好きとか嫌いの他にも一緒にいられる理由があればきっともっと違うカタチでずっと一緒に心地よい関係でいられた「さんかく」の関係。おむすびをキュッとむすぶように各々にとっての存在価値を結んでほしかった。シンプルなおむすびさえ美味しいねって笑い合えたら準備された場所が違うだけで、愛だと思う。

2023/11/23

エドワード

厨房資材の営業マン・伊東和弘と、大学で動物学専攻の中野華は恋人同士だ。先輩のデザイナー・高村夕香と再会した和弘は、彼女の京都の町屋に住むことになる。華には「先輩の高村さんと同居だよ」とだけ告げる。二人の間には愛も恋もない。風情のある料理の数々だけが二人をつなぐ。つくづく男女の関係も変わったと感じる。昭和では絶対ありえない設定、昭和の男と女は、愛と性と無関係ではいられない。華が偶然、高村が女性であることを知り痴話喧嘩になるが、サラリとスマートだ。さすが令和の恋!京都の四季がさりげなく描かれ、読み心地は爽快。

2024/01/07

よっち

食の趣味が合うかつての先輩からから同居を勧められた。ただそれだけなのに、どうしても彼女にそのことを打ち明けられない。揺れ動く三角関係未満の繊細な関係を描いた物語。恋はもういらないと京都にやってきたデザイナーの夕香。かつて彼女の職場でバイトをしていた正和と偶然再会して、たびたび食事を共にするうちに、何となく夕香の暮らす京町家で同居することになった二人。恋愛っぽい要素は何もないのに、なぜか恋人の大学院生・華に打ち明けられない正和が妙にリアルでしたけど、考えすぎるとむしろ身動き取れなくなるのかもしれないですね。

2023/11/06

mayu

異性として恋い焦がれているわけでもない、互いを深く知る訳でもないし、あまり知ろうともしない。でも食の趣味は合う男女。同居を提案する高村さんも、彼女がいるのに高村さんに甘えようとする伊東君も彼氏よりも解剖を優先したい華も、三人の男女それぞれが足りない物を埋めようとしてたんだろうなぁ。皆それぞれに自分の気持ちに正直なのだろうけど、良いとこ取りな伊東君の事は最後までズルいと思う。そして出てくる料理がとにかく美味しそうで、空腹では絶対読んではいけない!!千早さんの食べ物愛も感じられる一冊。

2023/10/19

kieth文

読み終わってしまうのが名残惜しい物語だった。初めは、昔読んだ片岡義男の女版みたいな出だしに戸惑う。その後は面白おかしく物語が展開するけど、どこかオシャレ感が鼻につく。でも人参好きな私はシリシリも作ってみようと思う。次々出てくるおつまみも美味しい❗️(作ってみた) いつも悔しいけど千早茜さんが好きなのだ。 物語はアラフォーのイラストレーターの高村さんという女性と以前バイトで一緒だった伊東君(30歳ちょい)とその彼女華(動物学大学院生)の3人が交代で綴ってゆく。そこはかとなく流れる3人の関係が面白かった。

2024/01/09

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