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百年と一日 (ちくま文庫 し-49-2)

百年と一日 (ちくま文庫 し-49-2)

百年と一日 (ちくま文庫 し-49-2)

作家
柴崎友香
出版社
筑摩書房
発売日
2024-03-11
ISBN
9784480439437
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百年と一日 (ちくま文庫 し-49-2) / 感想・レビュー

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エドワード

私が京都の今の家に住み始めて31年。周囲は随分変わった。住人も変わり、建物も変わる。そうした変化は人の記憶の中に堆積する。柴崎友香さんの作品の永遠のテーマだ。街角の土地。海辺の土地。たばこ屋、カフェ、映画館、アパート、銭湯、駅。人は生きるために建物を建て、リニューアルし、再開発し、風景は変わっていく。河原町へ行くたびに変わる街並みに栄枯盛衰を感じる。周りが様々に変化する間に、ずっと営業する未来軒。「バートンの『ちいさいおうち』だな。」と感じたら、解説の深緑野分さんも書いていた。そんな小さな物語の花束だ。

2024/04/12

まぁみ

感想が難しい。とても穏やかで静謐で少し冷たさも感じる、時間の経過を五感で感じるような…何とも不思議な読後感。忙しいとき、疲れているとき、特効薬とまではいかないけれど、心にじんわり沁みる掌短編集。無心でさらりと読むのが良いかも。必ずまた読みたくなり…読み返すだろうな、と強く感じた作品。

2024/04/20

阿部義彦

ちくま文庫、出たばかりの新刊です 柴崎友香さんがWebちくまに連載したものだそう。読んだ途端に、なんだー、こりゃと嬉しい、異端の匂いのする短編達に大興奮です。歴史と偏在の物語とでも言ったら良いのか?有りそうで無かった着眼点で、解説にガルシア・マルケスのマジックリアリズムを援用するのも分かりますが、とにかく著者は人間の内面には殆ど興味がなく、はてしない物語の点と点が有るだけ、ただそれだけをひたすら並べて、解釈する事も放棄して、ある事は有った、無かったことは無かった。と其れだけ。初めての味、読めとしか言えん

2024/03/13

しばこ

短編ドキュメンタリーを見ているような、名もない人々の人生を覗いているような、不思議な感覚。あらすじのようなタイトルのようなものがまた新鮮。

2024/04/25

taro

最近地元の駅の建て替えで、商店街もすっかり取り壊されているのですが、何十年も過ごしてきたのに無くなっちゃうと元の様子が正確に思い出せないんですよね。そんな寂しさを感じていた折、この本に出会えのは僥倖でした。最後の話が特に好きです。思いの詰まった原稿がにべもなく捨てられるのに、不思議とそれでいいんじゃないかという心地よさがあって不思議の読後感を味わえました。

2024/04/06

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