悲しみとともにどう生きるか (集英社新書)
悲しみとともにどう生きるか (集英社新書) / 感想・レビュー
pohcho
「世田谷事件」の被害者の姉が開催する「ミシュカの森」での講演とトークセッション。星野智幸さんの今の社会に対する危機感、「大きな物語に対抗するには個人の言葉を探し続けることが必要」という言葉に共感。心理学者の東畑さんの話も興味深かった。(「居るのはつらいよ」以前から気になっているのでいつか読みたい)平野啓一郎さんの死刑制度の話にはとても考えさせられた。悲しみとともに生きること。悲しみを抱えた人を社会全体で支えていくこと。団結ではなくゆるやかなつながりが今、求められているのだと思う。
2021/01/21
鴨ミール
家族や友人の死を経験すると、悲しみから立ち直れないと感じることがある。(それはペットも同じ)生きている限り、この苦しみや悲しみからは誰も逃れられないものであるからこそ、そのときにどうしたら良いかという言葉を求めてしまうのかもしれない。この本は、世田谷事件の被害者となった宮澤泰子さんの妹さんである入江杏さんが立ち上げた「ミシュカの森」(悲しみについて思いを馳せる会)での六人の講演や寄稿を収録した本。 個人的には平野啓一郎さんの章を期待していた。もちろんこちらも読み応えがあったが若松英輔さんの講演も良かった。
2020/12/31
coldsurgeon
14年前の世田谷事件の被害者遺族の一人が編者となり、喪失の悲しみに目を向けて、どのように生きて行くかを、6名の識者のメッセージを提示している。その中で、平野啓一郎氏が述べている。個人の責任に収斂させる死刑は国家の欺瞞である。凄惨な事件を起こした人たちの生育環境が非常に荒れている事例が多い。社会の中にいるそのような人を、立法的な救済か行政的な救済か、何らかの形で救済を必要としている人を、国家がある意味放置し、犯罪が発生した場合に、司法の場で罰することは、国家の欺瞞ではないか、と。悲しみを生む源が、国家にある
2020/12/04
読書熊
集うこと、語らうこと。括り付けられない言葉と触れ合うこと。グリーフケアとは何かが少しだけ見えやすくなる。
2020/12/20
Ran_ruuan482
悲しみを消したり捨てようとしなくてもいい、悲しみと共に生きる方法を探していけばよいのだと分かった。 アイデンティティーは1つではなく、様々な要素で構成されていてそれら全てが自分であるという「分人」という考えが勉強になった。
2021/01/14
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