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透明な夜の香り (集英社文庫)

透明な夜の香り (集英社文庫)

透明な夜の香り (集英社文庫)

作家
千早茜
出版社
集英社
発売日
2023-04-20
ISBN
9784087445091
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この夏、一冊分おおきくなろう。集英社文庫「ナツイチ2023」

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』8月号からの転載になります。

集英社文庫、夏のフェア「ナツイチ」が今年もスタート! ワクワク、ハラハラ、ドキドキ、フムフム。読み終えたころには、ひと回りおおきな自分に出会えるはず。さあ、この夏もいっぱい文庫をよまにゃ!

よまにゃ●読書が大好きな、集英社文庫のキャラクター。口癖は「よまにゃ」。 ©Noritake

(文=野本由起)

ナツイチとは? 毎年恒例、集英社文庫のサマーフェア。フェア参加書店で対象文庫を1冊購入すると、その場で1つ「よまにゃ画面クリーナー」をプレゼント。さらに、特設サイトでは人気声優5人の朗読動画を公開中!

今年読むならこの7冊から!

「思い込み」や「決めつけ」を子どもたちが鮮やかに翻す!

『逆ソクラテス』 伊坂幸太郎 集英社文庫 792円(税込) 「先生の先入観を崩してやろうよ」─生徒の優劣を決めつける担任教師に一矢報いるため、6年生の僕らはある作戦を決行する。表題作をはじめ、収録された5 編はすべて小学生が主人公。「僕は、そうは、思わない」と先入観を覆す彼らの姿が、清々しくも眩しい。

 …

2023/7/6

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透明な夜の香り (集英社文庫) / 感想・レビュー

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エドワード

あらゆる匂いを作ることの出来る調香師、小川朔。調香師が主人公の小説は時々あるね。眼に見えない<透明な>人や物の痕跡である香り。その神秘的で耽美的な特徴が文学の源泉となるのだろう。あらゆる匂いを感じてしまう朔の生き辛さ。もう一人の主人公、朔の洋館で働く若宮一香にも謎がある。訳ありの家族。独り暮らしで書店員のバイト中に動けなくなる。朔と働くうちに、徐々に生命力を取り戻していく。嘘やストレスや自律神経の乱れも匂うというから不思議だ。香りは遠い記憶をも呼び覚ます。一香の記憶とは?解説が小川洋子さん、一択の人選。

2023/05/25

tenori

読んでいて、物語の映像が浮かび上がってくる小説。それに加えて香りまで添えてくるあたり、千早流の真骨頂。嘘を体臭から察知するほど特異な嗅覚ゆえネグレクトを受けた過去を持つ天才的な調香士・朔と、引きこもりの兄の自殺を止めることができなかったことで自分の感情を押し殺して生きる主人公・一香。孤高の香りを求める人々との関わりの中で、互いに潜ませた闇を紐解いた先の結末。四季おりおりの植物の描写や脇を固める登場人物たちのキャラクター設定も秀逸で、決して劇的とは言えない着地点も含めて読後感の良い小説。

2023/07/17

ゆいまある

町外れの古い大きな洋館。浮世離れした天才調香師が暮らしている。庭師の老人源さんのキャラもベタ過ぎる。50年前の少女マンガかよ。りぼんかよ。なかよしかよ。天才調香師の手伝いを始めるメンタル不調な主人公。ヒキなのに家事の手際よすぎ。調香師からの厳格すぎる指示を守るうち、健康を取り戻し、やがて調香師の道具のひとつになってしまいたいというマゾヒスティックな願望を持つに至る。抑圧された性愛がどう成長するのかと思いきや、ラストそう来るの。依頼人のトラブルを香りで解決するミステリ要素あり、読みやすいし続編欲しい。

2023/12/31

りゅう☆

調香師朔の家で家事手伝いのバイトを始めた一香。幼馴染の新城の探偵業を手伝いながら客の希望の香りを作る朔。人並外れた嗅覚を持ち、嘘をつく時などのどんな香りでも嗅ぎ分ける。不倫相手の香りを欲する女、死が迫ってる人、障害を持つ子への香り。どんな香りも作れるけど、こんなに香りが入ってくると苦しいな。そして一香が心の闇と向かい合えるために作った香りの結果、変化が苦手な朔が知らない変化に気付けた時、優しい思いがした。鋭い嗅覚を持つが故の朔の苦しさや孤独に切なさもあったがミステリさあり、源さんや新城との信頼関係がいい。

2023/07/03

ちえり

初読み作家さん。読みやすくて面白かった。天才調香師とその幼馴染の探偵、家政婦兼事務員。刑事、庭師、元同僚、大家、いろんな人がそれぞれの闇を抱えていて。ミステリーだとよくあるパターンだけど、これはミステリーじゃないところが、また良し!こんな警察犬もびっくりの嗅覚を持っていたら事件に首突っ込んで警察に協力したりするのかと思えばそうでもなし(笑)読んでるうちに、これはドラマ化されそうだなぁ、なんて思いました。

2023/05/31

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