KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

赤い月の香り

赤い月の香り

赤い月の香り

作家
千早茜
出版社
集英社
発売日
2023-04-26
ISBN
9784087718324
amazonで購入する Kindle版を購入する

「赤い月の香り」のおすすめレビュー

依頼主の秘密を“香り”に変える天才調香師。彼のもとで新たに働くのは“怒り”の匂いがする青年で!?『透明な夜の香り』続編が発売!

『赤い月の香り』(千早茜/集英社)

 天才調香師がさらりと語る植物の知識の奥深さに興味を惹かれ、そんな彼が作る「香り」を求める客たちの欲深さに圧倒された小説『透明な夜の香り』(集英社)の続編『赤い月の香り』(集英社)が発売された。作者は、『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞したばかりの千早茜さん。本作は、天才調香師・小川朔が暮らす、香料植物や薬用植物でいっぱいの庭園がある重厚な雰囲気の洋館を舞台に、人と香りの密接な関係が、傷ついた経験を持つ繊細な人間たちの目線で、静謐に、時に艶めかしく描かれている。

 物語は、カフェの厨房でアルバイトしていた朝倉満が、理不尽な扱いをされて怒りに震えていた時、客として訪れた天才調香師・小川朔に「うちで働くといい」と勧誘されるところから幕を開ける。実は、満はある事情から前科があり、怒りを抑えることが出来ず、加えて、女性も苦手という側面があった。朔は共に完全紹介制の「香り」を作るサロンを営む幼なじみの探偵・新城が採用を反対したにもかかわらず、「嘘をつかないこと」を条件に満を雇う。洋館の家事手伝いや庭仕事、接客を任せたの…

2023/4/26

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

赤い月の香り / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

千早 茜は、新作中心に読んでいる作家です。直木賞受賞第一作にてシリーズ第二弾、天才調香師は、人の欲望を「香り」に変える、ある種の「香り」は、確かにエロティックかも知れません。 https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-771832-4

2023/05/16

パトラッシュ

調香師シリーズ第2作のテーマは「怒り」か。怒りに囚われると目の前が真赤に染まっていく青年満は、匂いを通じて他人の心が読める小川朔の許で働きながら様々な人の怒りに触れていく。赤い月は大災害の前兆と聖書にあるように、深いトラウマを抱えた依頼主は、心の傷口から流れる血を抑える香りを朔に求める。彼らは朔の作った香りをきっかけに忘れていた過去を思い出し、傷を負った事情と正面から向き合う。自分も苦しみを直視する勇気を得て、満は初めて穏やかさを感じた。そこで描かれた朔の過去は、誰よりも静穏な彼の心の傷の深さを窺わせる。

2023/09/17

のぶ

「透明な夜の香り」の続編という事で、あの不思議な世界観を漂わせた世界が味わえると思い楽しんで読んだ。登場人物は前作と同じく、カフェでアルバイトをしていた朝倉満に、香りに関しての依頼は何でも引き受ける小川朔に幼馴染みの探偵・新城。作品の雰囲気は前作とはやや変わっており、その繊細さや神聖な空気感はあまりないが、本作は満の赤い香り、次々と生まれゆくけれど行き場のないもどかしさの香りが立ち込めていて、その感覚が前作とはまた違った独特の世界に誘ってくれた気がした。それにしても小川朔の嗅覚には今回も驚かされた。

2023/05/12

うっちー

前作の際にも書きましたが、私は鼻が悪く、臭いに鈍感です

2023/05/22

Sato19601027

調香師小川朔の話 最新作は朝倉満目線で物語が進む。 「香り」と「記憶」が結びついている感覚って、確かにあるよな。 千早茜先生の表現も優しくて、美しくて、次回作希望。

2023/05/17

感想・レビューをもっと見る