KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

日本世間噺大系 (新潮文庫)

日本世間噺大系 (新潮文庫)

日本世間噺大系 (新潮文庫)

作家
伊丹十三
出版社
新潮社
発売日
2005-06-26
ISBN
9784101167350
amazonで購入する

日本世間噺大系 (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

優希

面白かったです。役に立つような立たないような世間噺の数々。何処かで見聞きしたような座談会やリアルで味わい深いエッセイが満載でした。なかなか聴くことのない噺ばかりで笑えます。

2016/04/21

penguin-blue

とにかく話題の幅が広く、身近な話から皇室、女性の生理の話まで。話の出だしから、落ちがどこへ行くのか想像できず、どこまで聞いた話でどこまでが創作なのかも判然としない。適当な話のようで、今に通じる警句や皮肉を含んでいるものもあり、この役に立つんだかたたないんだかわからないところがミソなのかと思う。「プ」「新幹線にて」「クソ水」「骨」あたりが印象に残ったが、次読むとまた印象が違うかも。作者の才気を随所に感じるものの、その人生の閉じ方を知っているせいかその鋭さゆえに自分を傷つけていたのではと思ってしまう。

2019/10/13

瓜坊

芸術家は辛いものを食べないといけない、懐石は苦手で折詰は好き、女性の快感と熱いシャワーの快感の類似…前半はエッセイのような小説のような文章。後半は農家、塩職人、人妻、様々な人を取材した会話風の文章。語り手の口調がそのままで訛りがいい。ルポルタージュのようで、戯曲のようでもある。虚々実々な話で根拠や事実が気になるけれど、そもそも世間噺。根拠は人生の経験。全体的に、開放的な自由を謳歌することとそれによる弊害、伝統的な秩序への懐古とその煩わしさ、両面の狭間にいる「戦後」という時間が濃密に漂ってる。

2020/05/13

奏市

エッセイ、ショートショートから始まって途中からタイトル通り色んな業界とかの世間話的な文体、裏話みたいな内容になっていて独特だった。著者の事は映画監督としてしか知らなかったが、俳優、著述、デザイン等やってマルチな人だったよう。外で読んでたんで『芸術家』は笑い堪えるのに必死。先生から「一体芸術家ほど辛い物を好む」と言われ、泣きながら辛いニンニク、キムチを食べる話。ミュンヘンにドイツ博物館って近代技術の成果集めたやたらでかい体験型博物館があるのか。車でも機関車でも「本物じゃなくて動かないってのは恥なんだよ」

2021/08/16

Cinejazz

伊丹十三さん(1933-1997)の溢れんばかりの知性と教養がほとばしる、縦横無尽、問答無用、自由奔放、奇想天外、一刀両断の世間噺がてんこ盛りのエッセイ集31篇。 映画監督・伊丹十三氏の早逝が惜しまれる。

2022/01/27

感想・レビューをもっと見る