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パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)

パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)

パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)

作家
ウィリアム・サローヤン
伊丹十三
出版社
新潮社
発売日
1988-01-01
ISBN
9784102031032
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パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫) / 感想・レビュー

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NAO

作家の父と息子の二人の暮らし。日々、息子はさまざまな新しいことに出会い、父との会話を楽しむ。まだ10歳だけれど息子を子ども扱いしない父の言葉は、いろいろな示唆に富んでいる。語り手の息子が、僕の父・彼、僕の母・彼女、僕の妹、と表わすのは、この作品ではどこまでも息子が主体であり、息子の自我が意識されているから。その自我とは、この父に一人前の人格として尊重されることで育まれた自我だ。二人のちょっと風変わりな日々には、美しいマリブ海が良く似合う。自分がモデルである父をクレイジーというのは、作者の照れだろうか。

2017/06/19

ゆのん

サローヤンが実の息子に捧げたという本。父と息子の物語。私自身、子供達を育てる際に育児書というものを全く読まなかったが、この本は素晴らしい育児書に成り得たのかもしれない。10歳のピートもとても賢い感受性豊かではあるが息子に対する父親の言動が素晴らしい。連発する息子の問い掛け全てに真摯に向き合う姿は見習いたい。親子の会話や遊びなどから人生を教えてゆくのだが既に大人の自分でさえ『なるほど』と納得してしまう。息子の意見に異議を唱えず質問で本人に考えさせ答えを導いている点は本当に関心してしまう。

2018/08/02

風眠

(再読)初めて読んだのは中1の時。正直言って全く分からなかった。訳者の伊丹十三が述べていた「原文の人称代名詞を可能な限り省略しない」という試みも、あまりに直訳過ぎて読みづらかった。けれど大人になった今、やっとこの物語の素晴らしさに気づく事ができた。親密でありながらもドライな父と10歳の息子の距離感、ユーモラスで爽やかだけれど哲学的な会話、マリブの海辺での生活。そして息子は、自然を、世界を、自分自身を学んでゆく。短い物語ではあるが、父の言葉に、少年の思考に、私も立ち止まり考えさせられ、読了に時間がかかった。

2016/01/09

たか

マリブの海を臨む『パパ』の家でひと夏を過ごす少年の物語。好奇心一杯の少年の問いに根気よく哲学的に答える父親とのやりとりに深い愛を感じる。物語のほとんどが親子の楽しい会話で構成され、親密でかつドライな二人の距離感が良い。D評価

2019/03/27

アン

サローヤンが愛する息子アラムに捧げた本。マリブの海辺で父親と暮らし始めた10歳の“僕”。好奇心に満ちた息子をしっかりと受け止め、現実的な世界へ導こうとする父親の眼差しに深い愛情を感じます。物語のほとんどが親子の愉しい会話で構成され、二人の距離感が良く、人生における大切なメッセージが色々存在し心に残りました。翻訳者の伊丹氏が、人称代名詞を省略しない方法を用いたことには賛否両論があるようです。『ママ アイラブユー』は未読なので楽しみ(^^)

2018/12/07

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