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タダイマトビラ

タダイマトビラ

タダイマトビラ

作家
村田沙耶香
出版社
新潮社
発売日
2012-03-30
ISBN
9784103100720
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タダイマトビラ / 感想・レビュー

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absinthe

沙耶香様作品。人間が全部ゴセシケに置き換わったような衝撃。家族というものは本能が作り出すものであるだけでなく、社会や文化やその他様々な要因から作られているのだろう。意識していても、ここまでばっさり切り離すことも出来ないのが人間と言うものに違いない。古今東西親子愛、兄弟愛、師弟愛、恋愛、様々な人間模様は様々に美化され崇められてきたが、どこまでが真実だったのだろう。ご本尊を開けてみたら家族愛などというものはとっくにミイラ化しているかもしれない。形骸化した家族を暴き出して見せた作品。

2019/10/09

おしゃべりメガネ

いや、もうまさかまさかの展開で、正直何が何だかサッパリではありながらもなんだかんだで読ませてしまうのは、さすがクレイジー沙耶香先生です。もうとにかく最初っから最後まで、ブレるコトない独特な世界観をしっかりと構築して、アッという間に読者をひきずりこみます。何が面白いの?と聞かれると、正直うまく答える自信がありません。楽しむとか味わうとかとはまた違った感覚だからです。どうしてこういう作品が書けるのか、やっぱり不思議でなりません。ホント、作者さんのアタマの中は果たしてどうなってるのか、覗いてみたいものですね。

2019/12/18

zero1

家族とは何か?単なるシステム?女性は単なるドア?芥川賞受賞作「コンビニ人間」で普通とは何かを問うたクレイジー沙耶香が精神的飢餓を描く異色作。恵奈は母親の愛情なしに育った。カーテンで家族愛を得る(後述)。恵奈の成長を小中高と描き、やがて大学生の彼氏ができる。女性読者から見てこの作品は共感できる?多様性社会とはこの作品を差す?少子化の現在、主人公のような生き方は認めるべきなのか?【本当の家】や【脳を騙す】などいかにも村田。主人公は日本のどこかにいる。しかも何人も。結末までクレイジー。あなたはどう判断する?

2019/10/29

utinopoti27

子どもを愛さない母親と、家族に興味のない父親の間に生まれた恵奈。いつしか想像上の「家族愛」を求めて始めた「カゾクヨナニー」。レースのカーテンに優しく包まれながら自己処理する欲求とは、彼女にとって単なる生理現象にすぎないのか・・。家族ひいては人の繋がりなど所詮は自慰行為の連鎖が生み出す幻想だという。そこにはかつて描かれた、綾波レイの巨大化に象徴される宗教的無常観が垣間見えたりもします。「クレイジー沙耶香」暴走モード全開。ラストはいきなりぶっ飛んだ観念世界へのいざない。そして沙耶香は神になりましたとさ。

2019/04/06

菅原孝標女@ナイスありがとうございます

相変わらずぶっ飛んでて引き込まれる。最後の解釈が難しいけど、家族はシステム、みんなカゾクヨナニーをしているってことには納得。私もきっとそうだから。諦めたい、ぶっ壊したいってずっと思ってたから。どんどん読んでいきたい作家さんの一人です。

2019/01/22

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