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男ともだち (文春文庫 ち 8-1)

男ともだち (文春文庫 ち 8-1)

男ともだち (文春文庫 ち 8-1)

作家
千早茜
出版社
文藝春秋
発売日
2017-03-10
ISBN
9784167908072
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「男ともだち (文春文庫 ち 8-1)」のおすすめレビュー

壊したくない「関係性」ってありますか? ウイスキーの役割と『男ともだち』のこと

『男ともだち』(千早茜/文藝春秋)

 久しぶりに会った男友達が、煙草を吸いながら「ウイスキーが好き」と言った。まだ22歳くらいの頃だ。いつ、どこでそんなことを教わったよ、と内心憤った。私は昔から、人がウイスキーを飲み始めるきっかけ、が気になってしょうがない。お酒を飲み始めたばかりの若者が入り浸る安価な居酒屋でウイスキーデビューする機会があるとは到底思えない。ビールやサワー、カクテル、焼酎、日本酒までならまだわかる。ウイスキー以降(ラムやブランデーなども)は、「確固たる意志をもって開かれた扉」という感じがするのである。「バーで年上の人に勧められて」あるいは「大人になりたくて」など、そのきっかけは、何らかの「大人」への憧れを孕んだものがほとんどのはず。一体きみは、どんなことを思い、その扉を開いたのかね? 22歳の私は、同じく22歳の男友達に心の中で問うた。

 そこで私もバーで肩を並べてウイスキーを飲みでもしたら、その関係性は違ったものに変化したのかもしれない。けれど、それだけは嫌だった。中学生のときのままの関係性でいたかったのだ。中学生の私はウイスキー…

2019/5/28

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男ともだち (文春文庫 ち 8-1) / 感想・レビュー

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さてさて

『愛人でも恋人でもないよ、ハセオはただの男ともだち』。悩み苦しみながらも『自分が小さかった時に見たかった景色』をようやく見つけたというその女性。そんな女性から『ハセオにとっての愛情ってなに?』と訊かれた男性はこんな風に答えます。『見ててやることかな』。女性の側から見えるそんな男性の事を「男ともだち」という言葉をもって描いていくこの作品。そして、葵という一人の女性の成長の物語が描かれるこの作品。「男ともだち」なんて関係性は絶対にあり得ない!そうおっしゃるあなたにこそ是非読んでいただきたい、そんな作品でした。

2021/12/25

ナマアタタカイカタタタキキ

あー…いいね、たまらんね、ハセオ。だらしない奴らばかりな話と言われればそれまでだけれど、夢中になって読み終えた。こんな間柄になったら、たとえ友達でもどこかで独占欲が芽生えてしまいそうだけれど、自分のものにだけでなく、誰のものにもならなさそうな男だからこそ、だろうか。本来の人間同士の関係って、何かのために結託したり、既にある雛型通りに築くのでは決してなくて、あくまで一対一で向き合ってそれぞれの形を育むもので、互いの気持ちの均衡の上に初めて成り立つ、危ういけれどかけがえのないものであるはずなんだよね。尊いわ。

2020/10/07

MI

千早さん初読み。男ともだちは存在するのかと思いながら読んだ。神名にハセオがいてよかった。誰とでもヤレるのに、ハセオには昔からできない。露月さんに「それはあなたが究極のファザコンだからよ。男を信じてない。ハセオは神名のことを大事に思ってるから手を出してこない、それに甘えてる貴方はファザコンなのよ。」男と女の関係以上の何か深い愛を感じた。ハセオも「最高の愛は見守ること」といっている。お互いを想い、さりげなく電話や会いにきてくだらないことをいって笑わせてくれる存在。なかなかいないけど、すてきな物語でした。

2023/11/18

相田うえお

★★★☆☆19099 初読み作家さん!読み物としては楽しめましたけど、久しぶりにどの登場人物にもまったく共感出来ませんでした。異性の友達...子供や学生,御高齢の方なら分かりますが、普通は友達だと言っても世間一般にはなかなか理解を得られるものではないでしょう。まあ、下心の無い異性の友達がいるというのは素敵な事だとは思いますよ、確かに。。(周りからは単なるカップルに見えるだけかもしれませんけどね。) そうだ!当方、異性の友達いました!二匹も。。メス猫ですが何か問題でも? っていうか、ニャンは家族だった。

2019/11/01

ゴンゾウ@新潮部

「あとかた」を読んでからずっと気にしていた作品。一方であの世界に触れると危ないと思ってなかなか手にできなかった。神名もハセオもどうしようもない。倫理の枠には収まらない。自分の近くにいたら近づきたくない。でもどこか惹かれてしまう。

2020/01/24

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