KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

腹を空かせた勇者ども

腹を空かせた勇者ども

腹を空かせた勇者ども

作家
金原ひとみ
出版社
河出書房新社
発売日
2023-06-14
ISBN
9784309031064
amazonで購入する Kindle版を購入する

「腹を空かせた勇者ども」のおすすめレビュー

コミュ力最強の陽キャ女子にも悩みあり。金原ひとみの青春小説『腹を空かせた勇者ども』【書評】

『腹を空かせた勇者ども』(金原ひとみ/河出書房新社)

 文学賞について、歯がゆく思うことが度々ある。例えば、ある小説家が芥川賞を獲ると、その作品は度々映画化され、彼/彼女の代表作と見做される。だが、その作家のピークとなる小説はそれじゃないよ!と口を挿みたくなることは少なくない。金原ひとみもそのケースで、芥川賞を受賞して映画にもなった『蛇にピアス』以降も、同作を超えるクオリティの小説をコンスタントに量産している。むしろ、受賞後のほうがその筆致は凄みと鋭さを増し、20年近く無双モードが続いているとすら思えるほどだ。

 そんな金原の『腹を空かせた勇者ども』(河出書房新社)は、天真爛漫で天衣無縫な女子中学生や女子高校生を描いた青春小説だ。主要人物はどちらかといえばリア充のグループであり、スクールカーストでいえば上から2番目くらいだろうか。主人公の玲奈は、能天気で物おじせず感情的になりやすい性格。友人にはその饒舌さゆえから「コミュ力モンスター」と呼ばれている。

 彼女らの会話は、若者言葉を見事に使いこなしている。金原氏は綿密にリサーチしたのか、「それな」「とりま…

2023/7/13

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

腹を空かせた勇者ども / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

金原 ひとみは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、今時のリアル陽キャ女子中学生青春譚、連作短編集でした。著者の娘がモデルでしょうか❓ 腹を空かせた勇者どもが、女子中学生だとは思いませんでした。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031064/

2023/07/09

ちゃちゃ

あぁ、レナレナが愛おしい。そうだよね。母親が公然と不倫ってマジないよね。正論を説かれて反論もできないもどかしさは胸の中で渦を巻く。でもやっぱりママが好き…。本作は、思春期にある女子中高生の溌剌とした日常を、玲奈のモノローグで綴る。底抜けに明るく真っ直ぐな超“陽キャ”を、作者の鋭い観察眼と秀でた筆力で活写。一見軽薄そうに見えて実は繊細、時に不安に押しつぶされる玲奈に、大人が見失った忘れ物(ほとばしるような生命力)を見つけて、切なくなる。煌めくような輝きを放つ原石、玲奈の成長物語。そのグルーブ感に圧倒された。

2023/09/18

美紀ちゃん

ラストは3人の友情みたいな感じで終わる。悩みの多い時期で応援したくなる。ママの理論だてて説明する話し方好き。納得できるし。タコスパーティしたくなる。残った具材でタコライス、いいなぁ。ママの不倫で気持ちが沈む。出張に行っているはずのママを、電車で見かけたと友達に言われへこむ。頭の中がめちゃくちゃになる。ママに彼氏がいることを受け入れられない。レナ→休部バレクライシス、依子→学校辞めるクライシス、ミナミ→彼氏の束縛クライシス、それぞれの悩みがとてもリアル。金原ひとみさんの文章のテンポ感がとても好き。楽しかった

2023/08/03

ネギっ子gen

【 Hungry?】てか、こんなの書けるんだ。陽キャ中学生・レナレナが「公然不倫」中の母と共に未来を拓く、神推し本。装幀は唆られる。<だらだらと支度をして学校を出た。あー腹減ったー。それな。見て見て……タラーン。え、コアラのマーチ持ってんのヨリヨリ?まじ神。ちな私inゼリー持ってる。何だよレナレナも神じゃん。食おーぜ。二人でコアラのマーチに次々手を伸ばし、コロナもどこ吹く風で私inゼリーを回し飲みをして食料は一瞬で尽きた。でも全然お腹に溜まらない。買い食いダメ校則まじキチクじゃね?> なんてまじヤバい。⇒

2023/09/10

なゆ

これだから金原ひとみはやめられない。今一番読みたい作家かも。コロナ禍も含めた今の、陽キャな青春。金原さんが書く中学生レナレナの、迷いながら悩みながらの思考回路がいい。ママの不倫や親の離婚に、自分なりの答えを探すとこも。駿くんの行き場のない苛立ちも。ああ、言語化したらこうなるのかーと。何と言ってもあの理屈でねじ伏せてくるママが金原さんの化身のように思えて楽しい。親とか先生以外のとこで気安く話せるオトナとしていい感じに関わってくれてたイーイーもよかったな。金原さんしか描けない家族、そして青春、サイコー!

2023/07/04

感想・レビューをもっと見る