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芦沢央

職業・肩書き
作家
ふりがな
あしざわ・よう

「芦沢央」のおすすめ記事・レビュー

この怪異はフィクション? それとも…!?『火のないところに煙は』/佐藤日向の#砂糖図書館㉔

この怪異はフィクション? それとも…!?『火のないところに煙は』/佐藤日向の#砂糖図書館㉔

私は本屋に立ち寄るのが大好きだ。

本屋にも個性があると思っているのだが、自分の好みと相性が合う本屋を見つけるのが1番楽しい。

店舗ごとに異なる本がピックアップされているが、その本を説明するポップで、私の中での本屋との相性は大体決まる。大好きな本屋の1つに、品川駅構内の本屋があるのだが、毎日品川に通ったこの夏の舞台公演期間中は、気づけばそこで沢山の本を手に取っていた。

今回紹介する芦沢央さんの『火のないところに煙は』という作品もその本屋で出逢った作品のひとつだ。 本作は、神楽坂一帯を舞台にした怪談について、作者が取材をする中で巡り合った事件を小説にすることで"怪談"の真の怖さを記している「フェイク・ドキュメンタリー怪談」だ。

評判の占い師、家自体に霊が取り憑き悪夢を見せる不思議な体験、承認欲求が強い見知らぬ女の子―――これらの事件は全て原因が異なっているように見えて、実は繋がっていた、というところが、本作の1番のホラー的要素だと思う。

得体の知れない何かとの縁を、作者自身が細い糸で少しずつ繋げていると思っていたのに、怪異のことを考え始めた時点で向こうからジ…

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「人は対話することによってほんの少し近づくことはできる」――芦沢央さんが最新作『神の悪手』に込めた将棋と人への想い《インタビュー》

「人は対話することによってほんの少し近づくことはできる」――芦沢央さんが最新作『神の悪手』に込めた将棋と人への想い《インタビュー》

『神の悪手』(芦沢央/新潮社)

 悪人とは言い切れない人たちの、ちょっとした心の弱さや狡さが、坂道を転がり落ちるようにふくらんで取り返しのつかない罪につながっていく――。第164回直木賞候補作『汚れた手をそこで拭かない』をはじめ、そのぞわぞわした読み心地と最後の1行まで気の抜けない構成で人気をあつめる芦沢央さん。最新作『神の悪手』(新潮社)は、将棋に関わる者たちを描いたミステリ短編集だ。“「棋は対話なり」を連想させる作品集です”と羽生善治九段も推薦する作品の裏側を、うかがった。

(取材・文=立花もも)

撮影=藤岡雅樹

――もともと将棋に興味をお持ちだったんですか?

芦沢央さん(以下、芦沢) 最初は、奨励会というシステムに惹かれたんです。所属する人たちの多くは、10代の頃から将棋だけにすべてをささげ、学校を辞めることもあれば、友だちと遊ぶ時間ももたず、プロ棋士になることだけをめざす。だけど26歳までにプロになれなければ退会しなくてはならず、学歴も社会経験もないまま社会に放り出される。あと一歩で手が届く場所にいたとしても関係なく、夢を諦めなくてはいけないその…

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苦しい時に逃げることは、恥ずかしくない。立ち返る原点と感謝の気持ち『罪の余白』/佐藤日向の#砂糖図書館⑳

苦しい時に逃げることは、恥ずかしくない。立ち返る原点と感謝の気持ち『罪の余白』/佐藤日向の#砂糖図書館⑳

先日、父の日に日々の感謝の気持ちを伝えるべく連絡をしたが、ここ最近はコロナの影響で舞台やライブに足を運んで貰う機会がめっきり減ってしまい、以前より連絡を取る回数が減っていることにふと気がついた。

幼稚園の頃に自主的に芸能活動をやりたいと言い出した時から「何事も経験は大事だ」と言って、私の気持ちを今に至るまで父が尊重してくれたから、私はこうして芸能活動を出来ている。私の父はこのダ・ヴィンチニュースでの連載も毎回楽しみにしていてくれて、様々な形で私の活動を見てしてもらうために頑張ろうと思える。

今回紹介させて頂くのは、芦沢央さんの『罪の余白』という作品だ。

本作は、主人公の娘が学校の4階から飛び降りる瞬間のモノローグから始まる。 そこから各登場人物の視点で日記風に彼女の飛び降りはいじめが原因の自殺だったのか、はたまた殺されたのか、という話が展開されていくのだが、加害者側(いじめていた同級生)の心情が救いようがないほどのクズっぷりを見せるのに、人は切羽詰まると言い訳に言い訳を重ねてしまうんだよな、と妙に納得させられてしまった。

本作の序盤で、主人公の娘を同級…

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第164回芥川賞は宇佐見りん『推し、燃ゆ』、直木賞は西條奈加『心淋し川』に決定!

第164回芥川賞は宇佐見りん『推し、燃ゆ』、直木賞は西條奈加『心淋し川』に決定!

 第164回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は1月20日(水)、東京・築地の新喜楽で開かれ、「芥川龍之介賞」は宇佐見りんの『推し、燃ゆ』に、「直木三十五賞」は西條奈加の『心淋し川』に決定した。

【第164回芥川賞受賞作品】

『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)

【あらすじ】 主人公のあかりは高校生。勉強やアルバイトだけでなく、生きる上で必要なあらゆることが「普通に」「ちゃんと」できなくて、唯一頑張ることができるのが、「まざま座」というアイドルグループのメンバー・上野真幸を推すこと。 あかりは、現実の重みに耐えられない。彼女にとって、推しへの情熱を燃やし続け、解釈するブログを書き続け、自分でも頑張れることがあるのだという実感だけが生きる支えなのだ。 それなのに、推しがファンを殴って炎上し、彼女の世界から消えてしまったら…?

【プロフィール】 宇佐見りん(うさみ りん)●1999年静岡県生まれ、神奈川県育ち。現在大学生、21歳。2019年、『かか』で第56回文藝賞受賞、史上最年少で第33回三島賞を受賞。

【第164回直木賞受賞作…

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「2019年本屋大賞」決定!! 大賞は瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』 全ノミネート作の順位を発表!

「2019年本屋大賞」決定!! 大賞は瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』 全ノミネート作の順位を発表!

 全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2019」の受賞作が決定した。

 16回目となる今回のノミネート作品10作の中から大賞に選ばれたのは、瀬尾まいこ氏の『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)!

■2019年本屋大賞受賞作 『そしてバトンは渡された』(瀬尾まいこ/文藝春秋)

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関連記事「今月のプラチナ本」

 翻訳小説部門では『カササギ殺人事件(上・下)』(アンソニー・ホロヴィッツ:著、山田 蘭:訳/東京創元社)が選ばれた。

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■気になるその他のノミネート作品は――

■2位 『ひと』(小野寺史宜/祥伝社)

■3位 『ベルリンは晴れているか』(深緑野分/筑摩書房)

■4位 『熱帯』(森見登美彦/文藝春秋)

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■5位 『ある男』(平野啓一郎/文藝春秋)

■6位 『さざなみのよる』(木皿泉/河出書房新社)

■7位 『愛なき世界』(三浦しをん/中央公論新社)

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■8位 『ひとつむぎの手』(知念実希人/新潮社)

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■9位 『火のないところに煙は』(芦沢央/新潮…

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気になる大賞はどの作品に!?「2019年 本屋大賞」ノミネート10作品発表!

気になる大賞はどの作品に!?「2019年 本屋大賞」ノミネート10作品発表!

2019年1月22日(火)、全国の書店員が選んだ一番売りたい本「2019年本屋大賞」のノミネート作品が発表された。

 今年の「2019年本屋大賞」は全国の493書店、書店員623人の投票によりノミネート作品を選出。ノミネートされたのは以下の10作品だ。

■2019年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)

『愛なき世界』(三浦しをん/中央公論新社)▶【レビュー全文はこちら】

『ある男』(平野啓一郎/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】

『さざなみのよる』(木皿泉/河出書房新社)

『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】

『熱帯』(森見登美彦/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】

『ひと』(小野寺史宜/祥伝社)

『ひとつむぎの手』(知念実希人/新潮社)▶【レビュー全文はこちら】

『火のないところに煙は』(芦沢央/新潮社)▶【作者インタビュー記事はこちら】

『フーガはユーガ』(伊坂幸太郎/実業之日本社)▶【レビュー全文はこちら】

『ベルリンは晴れているか』(深緑野分/筑摩書房)

 気になる大賞発表は4月9日(火)。ノミネート作を読み…

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注目の新刊 『悪いものが、来ませんように』 ダ・ヴィンチ2013年11月号

注目の新刊 『悪いものが、来ませんように』 ダ・ヴィンチ2013年11月号

子どもができず悶々とした日々を送る紗英。子育てと家事に心をすり減らしている奈津子。異常なまでに親密な二人の関係は、ある不穏な思いを育んでゆく——。『罪の余白』でデビューした新鋭が放つ心理サスペンス。日常に潜む異常心理をリアルに描ききる。

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第3回野性時代フロンティア文学賞 『ホテルブラジル』 古川春秋インタビュー

第3回野性時代フロンティア文学賞 『ホテルブラジル』 古川春秋インタビュー

 一度聞いただけで脳裏に刻まれるタイトル。さりげなく韻を踏む軽妙さと、どこか洒落の効いたテイストは、作品に流れるセンスをそのまま表している。 「骨格として浮かんだのは、男と女が喧嘩をし、ラストには仲直りして帰る、そこに非日常的なストーリーを盛り込んでいくということでした。日本にあるのに、なぜか〝ホテルブラジル〟という名を持つ舞台を得た途端、その非日常的物語は、僕の中でどんどん増殖していきました」と、執筆当時を振り返り、古川さんは言う。  

ふるかわ・しゅんじゅう●1977年、熊本県生まれ。龍谷大学文学部卒。現在はIT企業に勤める。文学賞初投稿となった本作で「第3回野性時代フロンティア文学賞」受賞。好きな作家は、村上春樹、伊坂幸太郎など。  プロポーズの最中、喧嘩を始めてしまった次晴と夏海。そんな二人が「会社」の裏取引で得た1億円を持って逃走中のチンピラ・江古田に遭遇してしまったことから、突然ストーリーは走り出す。二人が逃げ込んだ冬期休業中の〝ホテルブラジル〟に次々と集まってくるのは、厄介な極道の人たち―江古田を追う頭脳派の船越に、江古田と船越の粛…

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神の悪手 (新潮文庫 あ 97-3)

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いつかの人質

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作家
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僕の神さま (角川文庫)

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2024-02-22
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火のないところに煙は

火のないところに煙は

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芦沢央
出版社
新潮社
発売日
2018-06-22
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悪いものが、来ませんように (角川文庫)

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芦沢央
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KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-08-25
ISBN
9784041044421
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