画家は山道を歩きながら、こう考えた。「智(ち)に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角(とかく)に人の世は住みにくい」。 日露戦…
文芸・カルチャー
2018/8/20
学生の頃、もっと海外の名作を読んでおけば良かった…。「これなら薄いからいける!」と手に取ったけれど、結局投げ出してしまった…。忙しくて原作を読む時間はないけど、…
文芸・カルチャー
2018/7/19
蒔岡家は大阪の名家だが、衰退しつつあった。四姉妹の中でいちばん美人である三女の雪子には多くの縁談があったが、家の誇りのためにそれらを断ってきたため、雪子は30歳…
文芸・カルチャー
2018/7/18
容姿端麗な春琴には舞の才能があったが、彼女は9歳の頃に病気で失明し、三味線を学ぶようになった。彼女は三味線の才能も持っていた。春琴に仕え、世話係をしていた佐助も…
文芸・カルチャー
2018/7/9
吉原に住む14歳の勝気でおてんばな少女美登利(みどり)は遊女の姉を持ち、自身もゆくゆくは遊女となることが決まっている。弟分のような存在の正太郎という少年とよく遊…
文芸・カルチャー
2018/7/4
「食と人生」、そんな言葉を浮かべると、色彩ゆたかな思い出がつぎつぎやってきては消える。手の込んだ母の料理、祖父母宅でつまんだお寿司、旅先の川べりでたのしんだお…
暮らし
2018/7/1
31歳、教師の仁木順平という男は、8月に休暇を取って趣味の昆虫採集のために海岸の砂丘に行く。そこには今にも砂に埋もれそうな部落があった。終バスを逃した彼は勧められ…
文芸・カルチャー
2018/6/28
28歳独身の河合譲治は、模範的なエリートサラリーマンである。女性経験もなく、真面目すぎる彼は会社で「君子」と呼ばれていた。世間を知らない少女を引き取って教育し、…
文芸・カルチャー
2018/6/21
ある日、お釈迦さまは極楽の蓮池のほとりを散歩していた。はるか下には地獄がああり、犍陀多(かんだた)という男が血の池でもがいているのが見える。 犍陀多は生前、殺人…
文芸・カルチャー
2018/6/14
『卍』は文豪・谷崎潤一郎の代表作の一つとされる長編小説です。近代文学の名著と聞くと難しい内容と思われるかもしれませんが、不倫・同性愛・心理的マゾヒズムを描いた…
文芸・カルチャー
2018/6/11
伊勢湾に浮かぶ、歌島という世間から隔絶されたような小さな島。父親を戦争で亡くした18歳の青年、新治は漁師をしながら、貧しい家で母と弟と暮らしていた。ある日彼は、…
文芸・カルチャー
2018/5/30
物語の語り手は、珍野(ちんの)家で飼われている雄猫。彼に名前はなく、自分のことを吾輩と呼んでいる。生まれてすぐに捨てられた吾輩は、生きるために迷走しているうち…
文芸・カルチャー
2018/5/28
本を選ぶことは、音楽をかけることと似ている。そのときの気分に合わせたり、逆に変えようとしてみたり。その時々で自分が必要としていることに応える力があるように思う…
文芸・カルチャー
2018/5/19
小説好きならば絶対に読んだことのある名作たち。川端康成の『雪国』、夏目漱石の『こゝろ』、太宰治の『人間失格』などの作品はそれだけ書評も数多く出回っている。しか…
文芸・カルチャー
2018/5/16
第二次世界大戦直後の日本社会の倫理観を観察し、戦時中の体験を踏まえながら、これからの人々の生きる指標を示した坂口安吾の代表作。 日本は戦争に敗れ、かつての特攻隊…
文芸・カルチャー
2018/5/9
孤児として育ったせいで自分の性格が歪んでいるということに気付いた主人公の学生「私」は、その思いに耐えかねて伊豆の旅に出た。その道中で旅芸人の一行に出会う。その…
文芸・カルチャー
2018/5/7
少年が鎌倉の海岸で出会った男性は、いつもどこか寂しげだった。少年は、その男性のことを「先生」と呼ぶようになる。父親の見舞いで故郷に帰省していた少年は、先生から…
文芸・カルチャー
2018/4/25
「文学」と聞いて、どんなことを想像するだろうか。 「教科書に載っていた難しくてちょっと退屈な話」 「なんだか古臭くて、今の時代の価値観にあわない話」 「おとなしく…
文芸・カルチャー
2018/3/6
誰もが知っている古典的名作というのは、手にとるハードルが高いものだ。なんだか小難しそうだし、“いまさら”という羞恥も強い。だがいまだに読み継がれるということはそ…
文芸・カルチャー
2018/2/24
2017年はカナダ建国150周年という記念すべき年。この秋「パルコ」は、カナダ・ケベック州生まれの女性作家、ネリー・アルカンにフォーカスを当て、書籍×映画×舞台の3カ月…
エンタメ
2017/10/21
グラフィック・ノヴェリストのエイドリアン・トミネによる最新作『キリング・アンド・ダイング』が、2017年5月25日(木)に発売された。 同書の著者、トミネは日本でも文…
文芸・カルチャー
2017/6/13
勇者である主人公が、ある日旅に出て世界を救う。 これがおそらくたいていの人が思い浮かべるRPGの基本だろう。 なぜか16歳の誕生日に旅に出て、人の家に勝手に入ってタン…
文芸・カルチャー
2017/4/15
どんなに完成度が高い作品でも、小説を映画化したときに全ての原作ファンを満足させることは不可能だろう。ファンの数だけ原作にはイメージがあり、解釈がある。ある人に…
エンタメ
2017/4/14
ダークファンタジー小説『怪物はささやく』の実写映画が日本でも公開されることが決定し「ひとりぼっちの少年と怪物とかめっちゃおもしろそう」「スタッフと監督が私得過…
エンタメ
2017/4/8
来る2月にティム・バートンの新作映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』が公開される。ポスターに踊る「ティム・バートン史上、最も奇妙」のコピーに、早くもワクワ…
映画
2017/1/20
株式会社ドワンゴが運営する日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、株式会社KADOKAWAが発行する本とコミックの情報サイト「ダ・ヴィンチニュース」がコラボして開催…
文芸・カルチャー
2016/12/15
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まる古典『平家物語』を、全く知らない方もいないだろう。私は学生の時、授業で読んだ記憶がある。その時「……つまらない」…
文芸・カルチャー
2016/12/15
本作は1932年『婦人公論』に「滅びゆく琉球女の手記」を書いた、久志芙沙子(くしふさこ)氏という実在の人物をモチーフにしたフィクションである。 この小説の主人公は明…
文芸・カルチャー
2016/12/10
いつの時代にも、小説や漫画、映画などのフィクションの世界には、主人公と病気のヒロインとの恋愛を描くスタイルがある。最近だと『四月は君の嘘』、少し古いところだと…
文芸・カルチャー
2016/11/4
人は他者の顔を確認することで、その存在を確認する。顔に浮かぶ表情を読み取ることで、他者の心を理解しようと努める。顔は人間関係の構築において、とても重要なパーツ…
文芸・カルチャー
2016/11/3
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