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おまじない (単行本)

おまじない (単行本)

おまじない (単行本)

作家
西加奈子
出版社
筑摩書房
発売日
2018-03-01
ISBN
9784480804778
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「ニューヨークはあまりにニューヨークすぎる」――憧れの街での文芸イベントを終えて 西 加奈子 in ニューヨーク

トニ・モリソンに代表されるアメリカ文学が昔から好きで、ニューヨークから発信される音楽や映画のファンと公言する西加奈子さん。そんな西さんが、5月初めにニューヨークで行われたPEN AMERICA World Voices Festivalに登壇した。自分の作品がs世界で広く読まれることを切望している西さんだけに、海外の読者との交流はきっと感慨深かったにちがいない。イベント終了後に、今回の出演経緯や自著『ふくわらい』の英訳朗読の感想などを訊いた。

――イベント、お疲れ様でした。今の感想を聞かせてください。

西 日本でもそうですが、こちらのオーディエンスはものすごく熱心に聞いてくれますね。笑ったり、“おお”って声に出したりとか。客席の反応が大きかったので、すごく話しやすかったです。とても楽しめました。

――ステージではとても落ち着いていらしたように見えましたが、朗読はお好きですか?

西 いやー、人前で読むのは恥ずかしいです。今日のお客さんは日本語を母語としない方がほとんどだったので、その分、自由にできた気がします。

――全米ペン協会が主催するPEN AMERI…

2019/6/2

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2種類の英訳で翻訳のおもしろさを味わう――ニューヨークのイベントで初披露された西加奈子の小説世界

世界中から作家が集まり、アメリカ人作家と、文学や時代、社会について語り交流するPEN AMERICA World Voices Festival。(全米ペン協会主催)。5月初めにニューヨークで行われたこの祭典に、日本人作家として参加した西加奈子さん。このイベントでは、翻訳の奥深さ、おもしろさを伝えるために、一つの作品を2人の翻訳家が翻訳し朗読するという趣向が盛り込まれた。西さんの著書もその題材となった。自身のWEBサイトでは英語での発信もしている西さんだが、自著に対する二通りの翻訳を聞いて、どんな新しい刺激を得たのだろうか。

 インディから大手までたくさんの出版社が拠点にし、作家や文芸エージェントも数多く暮らす街だけあって、ニューヨークでは年間を通じ、文芸関連の大規模なイベントが数多く催されている。昨年は、村上春樹も登壇した、雑誌『THE NEW YORKER』誌主催の文芸フェスが開催、マンハッタンからイースト川を越えた対岸のブルックリンの文芸フェスも2006年から続き、国内外で知られるイベントとなった。

 そうした中にあって、全米ペン協会が運営する…

2019/6/1

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おまじない (単行本) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

8篇からなる短篇集。主人公はそれぞれに違うが、巻頭の「燃やす」では小学生、続く「いちご」では中学生へとしだいに成長してゆき「ドブロブニク」では44歳。最後の「ドラゴンスープレックス」では再び中学生に戻って幕を閉じる。いずれも女性の一人称語りであり、それがとてもうまく機能している。男である私も第1話から即座に感情移入していけるのだから。この作品群はそうして主人公に寄り添って、彼女の目で世界を眺めて行くのがいいようだ。とりわけ心に響いたのは「孫係」、「オーロラ」、「ドブロブニク」。他の作品もいい。

2022/04/02

starbro

西加奈子は、新作をコンスタントに読んでいるマイブームの作家です。おじさん達の素朴な言葉が、魔法のようなおまじないになる連作短編集。著者のイラストも含め、どの短編も好いですが、オススメは、「孫係」と「あねご」です。

2018/04/05

ウッディ

ザラッとした読み心地を残す8つの短編集。限りある枚数の中で、主人公の背景を描き、心の中のモヤモヤした物をえぐり出す描写は、さすがと思わせる。唯一、「孫係」だけは、西さんらしくない(っと言っては失礼だが)すっきりした読後感で、一番好きでした。本心を隠して振る舞う事は、決して悪い事じゃない。相手の気持ちを思い遣って、そんな風に振る舞えるのは優しさなんだという祖父の教えで、生きることが楽になった読者は多いのでは‥。自分の気持ちに折り合いをつけられない時、自分も何かの係をやってると考えようと思った。

2018/06/24

うっちー

私は男ですが、女性視点ではおそらく意味深い短篇集なのでは

2018/03/15

風眠

ほんの少し心を柔らかくできたらなら、らくになれるのに、と思う。けれど長い年月をかけ培われてきた心は、自分の頑固さを手放すことをそう簡単には許してくれない。弱音を吐けない、誰かに頼ることもできない、自分というものの厄介さ。どうにもならないと諦めてみても、それでもやっぱり諦めきれなくて、矛盾する感情をもてあましている。心のずっと奥深く、大事に大事に置いていた頑固さの箱。その箱をひょいっと持ち上げて「もうええやろ?」って、西加奈子が言ったような気がした。何となく、もういいかなって、らくに生きてもいいかなって。

2018/04/05

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