人気作「舞田ひとみ」シリーズ第1弾(電子版)を無料公開した理由とは?
『葉桜の季節に君を想うということ』や「密室殺人ゲーム」シリーズで話題を呼んだ、本格推理作家・歌野晶午。彼の人気作「舞田ひとみ」シリーズ第1弾がこのたび電子書籍化された。成長する名探偵が活躍する青春ミステリーとして、注目の本書。作品の成り立ち、読みどころに加え、著者自らの希望として、電子書籍版の無料配信に至った経緯を訊いた。
取材・文=杉江松恋 写真=中 惠美子
成長する名探偵・舞田ひとみは、いかにして生まれたか
歌野晶午 うたの・しょうご●1961年、千葉県生まれ。1988年に『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞をダブル受賞。10 年には『密室殺人ゲーム2.0』で再び本格ミステリ大賞の受賞を果たした。他の著書に『絶望ノート』『春から夏、やがて冬』『密室殺人ゲーム・マニアックス』など。
「舞田ひとみ」シリーズをみなさんはご存じだろうか。未読の方のためにご紹介すると、これは主人公が着実に年をとるというユニークなミステリーの連作だ。
第1作『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵…