瀬戸内寂聴×佐藤愛子、豪華対談が実現! 共にペン一本で同時代を生きた二人が語る、「作家という人生」とは?【「群像」1月号】
95歳で長篇小説『いのち』(講談社)を刊行した瀬戸内寂聴さんと、エッセイ『九十歳。何がめでたい』(小学館)が大好評の佐藤愛子さん(94歳)。12月7日に発売された文芸誌「群像」2018年1月号(講談社)にて特別対談が実現。デビュー以来70年、共にペン一本で同時代を生きた二人が語る、「作家という人生」とは――。本記事では特別に対談の一部をご紹介します。
(左)佐藤愛子さん(右)瀬戸内寂聴さん 2017年11月2日 ホテル椿山荘東京にて(撮影:森 清)
■男運が悪くてよかった
佐藤 新しい本をお出しになるのね。ゲラで拝見しましたよ。面白かったわ。
瀬戸内 私ももう死ぬから、これだけは書いておこうと思って、この小説(『いのち』)では一番親しくしてきた、河野多惠子さんと大庭みな子さんのことを書きました。いろんなことがあったけど、あの二人はやっぱり天才ですよ。日本の文学史に残る。私はそう思っています。
佐藤 それは残るわね。
瀬戸内 二人は仲が悪かったけど、両方とも男運がいいの。第三者が見たらどうかと思うかもしれないけど、ほんとにいい夫たちなんですよ。
佐藤 そうで…