認知症を公表した蛭子能収さんが専門医に本音を語る――書籍『ボケ日和』特別インタビュー
「認知症になっても、ありのままの姿を見せて稼ぎたい」 「でも、仕事する気はあまりない……」
思わず二度見してしまうような名言を繰り出すのは、漫画家でタレントの蛭子能収さん(74)。蛭子さんと言えば、他人のお葬式で笑ってしまったり、テレビの旅番組で土地の名物を食べずに好物のカレーを食べてみたりと、空気を読まないことで知られる自由人だ。そんな蛭子さんがアルツハイマー型とレビー小体型の認知症を併発していると公表したのは、2020年7月のこと。
「それを聞いて、どうしても蛭子さんとお話ししたかった」というのが、認知症専門医の長谷川嘉哉さんだ。長谷川さんの著書『ボケ日和―わが家に認知症がやって来た!どうする?どうなる?』(かんき出版)は、認知症の進行具合を「春・夏・秋・冬」に分けて、実例を交えて綴るエッセイ集。2022年2月現在、5万部を超えるロングセラーとなっている。
「実は私の祖父が認知症だったこともあって、『ボケ日和』では介護家族に重きを置いて認知症のことを書いています。ただ一方で、日ごろクリニックで診療している患者さんたちの気持ちをしっかり汲み取…