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慣れろ、おちょくれ、踏み外せ ——性と身体をめぐるクィアな対話

慣れろ、おちょくれ、踏み外せ ——性と身体をめぐるクィアな対話

慣れろ、おちょくれ、踏み外せ ——性と身体をめぐるクィアな対話

作家
森山至貴
能町みね子
出版社
朝日出版社
発売日
2023-07-01
ISBN
9784255013480
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「慣れろ、おちょくれ、踏み外せ ——性と身体をめぐるクィアな対話」のおすすめレビュー

「LGBTQ」の「Q」って何?対話形式で性と身体を学ぶ1冊

『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』(森山至貴、能町みね子/朝日出版社)

 LGBTQの最後の「Q」は「Queer(クィア)」もしくは「Questioning(クエスチョニング)」の頭文字で、クエスチョニングは「自分の性別や性的指向を探している状態の人」を指すらしい。

 ……という段階まで、何となくの知識を持っている人は日本でも増えているだろう。

 ただ、「じゃあ『クィア』って何なのか?」と聞かれたら、一言で説明できる人はほとんどいないはずだ。

 教科書的な解答としては「性的少数者全般を指す言葉」「規範的ではないとされる性のあり方を包括的にあらわす言葉」といった説明がされるが、何かピンとこない……。

 筆者もそんな状態の1人で、そのモヤモヤを解消できるかと思って読んでみたのが『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』(森山至貴、能町みね子/朝日出版社)だった。

 300ページを超える対談形式のこの書籍では、「クィアとは何か」「クィアな発想とは何か」「クィア・スタディーズという学問とは何か」について、さまざまな解…

2023/9/28

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慣れろ、おちょくれ、踏み外せ ——性と身体をめぐるクィアな対話 / 感想・レビュー

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阿部義彦

少し前にLGB/Tを知る為にちくま新書『LGBTを読みとく』を読みましたが、これはその著者である森山至貴さん(G)と能町みね子さん(T)との対談による、その当人達による、世間との距離感や何故そうなったか?を赤裸々に語り合って、性と身体をめぐる普通って何という事に対する疑問を突きつけるフリートークとなっており更に理解が深まります。みね子さんは私もファンで著書も愛読してたので偏見との戦い(と言うよりも要するに自分の様な人にも慣れて欲しいだけ)の事や『私の身体をどう思うべきかお前が決めるな』等理解が深まります。

2023/08/01

くさてる

自分でも答えが出ていない、世間的にも答えが出たと思ったらひっくり返されたりあっという間に風向きが変わったり、でなかなか難しい、性とからだをめぐる問題に、真摯に取り組んでいる対話でした。断言を避け、慎重に、でも当事者としての言葉は誠実に。そんな印象を受けました。

2023/11/04

Melody_Nelson

能町みね子が好きなので手に取るも、「クィア・スタディー」という耳慣れない学問の話で戸惑い、結局わかったような、わからないような。主に性的マイノリティについての対談だが、最後の方に出てくるように、その他の「差別」とかマイノリティな性向(小児性愛とかSMとか)についても「クィア」が当てはまるだろうから、「クィア」とは深い。全体を通して知らない単語や考え方が多く、なかなか追いつけず、読めば読むほど、迂闊に意見を言えないなと感じてしまった。「多様性」という言葉に逃げてはいけないらしい。まずは「認める」ことが大事。

2024/01/29

蝶子

自分の浅はかさを突きつけられた。私は「理解する」側の人間だったな、と傲慢さみたいなものを感じて反省する。森山さんの言うとおりこういう本を手に取った時点ですでに露骨な差別主義者ではないがマイクロアグレッションや「アライ」という言葉の上から目線がキツくてかえってまともに取り合わないほうがすっきりする…とかそういう話を読んで、教えてもらわないとわからないよな…と思う自分がいるのも事実。しかしそもそも「わかる」ということが必要なのか?「慣れればいい」というお二人の言葉にかすかな希望を感じた。

2023/11/05

ずー

親しみやすい文体の対談ながら、本来の意味での「クィア」概念をかなり包括的に取り扱った本だと思った。昨今の世間で言うところの「LGBTQ」概念は、性的マイノリティがいかに真っ当な存在であるかということを主張することに躍起になっている側面もあると思うが、そういう世間に求められる"まとも"さに対してクソくらえ、と言うのが「クィア」なんだと思う。ツイッター上などではイチャモンの嵐になるであろう微細でグレーな話にも触れているところがとてもよかった。二人が時に迷いながら、言葉を探しながら話しているのが良かった。

2023/09/10

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