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松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 12)

松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 12)

松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 12)

作家
松浦寿輝
辻原登
長谷川櫂
丸谷才一
出版社
河出書房新社
発売日
2016-06-11
ISBN
9784309728827
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松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 12) / 感想・レビュー

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こーた

芭蕉が開いた俳諧の宇宙は、蕪村によって押し広げられ、一茶を経て私たちの手に届くようになった。そのさまは、まるで宇宙開闢から晴れ上がりを経て星が生まれ、その星屑たる原子が私たちを形づくっているかのようだ。芭蕉・蕪村の深い教養に根ざした古典主義から、一茶の大衆化へ。十七字のことばの原子が、季節を巡って宇宙を成す。「とくとく歌仙」も含めた解説が、すこぶるわかりやすい。名句を愉しみながら、各人の生涯を旅のように追いかけ、その人となりまで浮かび上がる構成が見事だ。最良の俳諧入門書にして、何度でも味わえる一冊。⇒

2018/12/28

こーた

風景や情感を、ただ切り取るだけではない。そこには映像のような動きもある。開かれたことばは、のちに起こる事象、つまりは未来を想像させ、風景の裏側にひそむ残像は、過去にあった出来事をよび醒す。像が幾重にも織りかさなり、開いたり閉じたりして、空間と時間を自在に生み出す。助詞をわずかにかえるだけで、句の印象はがらりと変わり、決して一文字も無駄にはしない。雅を俗に降し、また俗のなかに雅を見出す。十七文字が宇宙を創る。俳諧とはひとつの文芸形式をこえた精神であり、芭蕉というひとの生き方そのもののようにおもえてくる。

2018/04/04

KAZOO

この巻には俳句の文学作品としての位置づけとして、芭蕉、蕪村、一茶、それと対談集が収められています。芭蕉は昔の参考書で奥の細道を読んだばかりでしたので、この現代語訳はすらすらと読めました。蕪村は辻原さんが選んだ句、一茶は長谷川櫂さんが選んだ句がそれぞれ収められています。この3人はそれぞれ特徴があり様々な句を楽しめます。対談集は丸谷才一、大岡信、高橋治のもので昔読んだものですが、皆さん言いたいことをいっていて自分も句がるくれるのではと思わせてくれます。

2016/06/24

starbro

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ第十八弾です。ようやく60%まで来ました!人生でこんなにいっぺんに多くの俳句を読んだのは、初めてです。俳句は自然を切り取り余韻を残すイメージが強いのですが、恋の句も結構詠まれているのは、大変新鮮でした。マイベストは松尾芭蕉の「荒海や佐渡に横たふ天の川」です。私の故郷を詠んだ句で、日本海と満点の星空の対比がダイナミックで魅力的です。最期に一句「夏の宵 讀書米(メーター) 本の杜」お粗末様でした(笑)

2016/07/15

tamami

何かの拍子に購入してずっと書棚の肥やし?になっていた全集本の一冊。俳句俳文が主なのに、小さな活字の詰まった文章のなんと濃密なこと。ようやくの思いで読み切る。取りあえずの収穫は、現代語訳という形ではあったが、芭蕉の『奥の細道』を全文通して読むことができたこと。高校以来のことかな。一緒に収録されている蕪村と一茶については、聞きかじった名句の幾つかを目にする度に、解説される文章の深さに驚嘆する。『とくとく歌仙』では、登場のお三方が皆亡くなられていることに、全部文学史上の出来事になってしまったという感慨を覚える。

2021/07/17

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