おかのひろふみ●1955横浜生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。白水社にて演劇雑誌「新劇」の編集長をへて独立。演劇のことにもちょっと詳しい。『サファリ』『デジタルテレビガイド』『アサヒ芸能』『ハヤカワミステリマガジン』などに節操なくいろいろなものを連載。著書に国内外50本の名作戯曲を詳解した『高校生のための上演作品ガイド』(白水社)や、20世紀のベストセラーと話題本100冊を縦横に語った爆笑対談書評『百年の誤読』(ちくま文庫)、『百年の誤読 海外文学編』(アスペクト)、『読まずに小説書けますか 作家なるための必読ガイド』(メディアファクトリー)がある。 ⇒岡野宏文さんの本棚はこちら
強く生きられるものの宗教ではなく、弱く怠惰で卑屈にしか生きられないもののためのキリスト教、代表作「沈黙」に結実するそうした思想の断片が、繰り返し試みられた12の…
小説・エッセイ
2011/11/17
まぎれもなく、村上春樹タッチの文章です。レトリックの使い方もそのものですね。ですからたいへんに読みやすい小説です。サラサラッと読めてしまいました。 ただし、文章…
小説・エッセイ
2011/11/16
この小説が出版された当時、ソ連の作家ボリス・パステルナークが書いた「ドクトル・ジバゴ」という小説がノーベル賞辞退という事件も絡んで話題となり、これを原作とした…
小説・エッセイ
2011/11/10
この本は、作家 北杜夫を一躍有名にした出世作であり、刊行の1959年当時にそれまでの日本文学にはなかったタイプのユーモアが大いに人気を博し、北杜夫をベストセラー作家…
小説・エッセイ
2011/11/9
赤瀬川原平の名前をダイレクトに知る人はそんなに多くないかも知れない。明治時代の人? とか、ラーメン屋の匠? とか、いろいろいう人もきっといるだろう。 でも、こうい…
小説・エッセイ
2011/11/7
同じ著者の「亜空間要塞」とともに70年代SFの奇書といわれている小説です。 そうやって亜空間要塞事件も終了し、どうやってかは「亜空間要塞」のレビューを読んでいただ…
小説・エッセイ
2011/11/6
続編の「亜空間要塞の逆襲」とあわせて70年代SFの奇書といわれた小説です。奇書というより遊書といったほうがふさわしいかと僕は思いますが、ま、ともかくあらすじです…
小説・エッセイ
2011/11/6
太宰治は「女語り」の作家だといわれる。女性が語り手になった作品に傑作、というか大傑作、文学史に残るような小説が多いということである。もっとも、太宰の作品は全部…
小説・エッセイ
2011/11/5
「手鎖心中」は井上ひさしの直木作受賞作です。黄表紙作家を目指したある青年のお話。 黄表紙ってなにか。 黄表紙というのは、江戸の中期から末期にかけてはやった、本の…
小説・エッセイ
2011/10/29
向田邦子のエッセイを読むと、メゲる、かなり。巧すぎちゃって。文章を書いて口に糊している輩なら、いくらかは同じことを感じるのではないか。 ただし嫌みではない。ここ…
小説・エッセイ
2011/10/28
秦健日子による雪平夏見シリーズの3冊目。「アンフェア」シリーズといってもいいだろう。 河原で発見された男の死体には、赤いリボンで括られた殺人請負業の広告チラシが…
小説・エッセイ
2011/10/2
「蛇を踏む」は、たいそう面白い小説なのである。ただし、「笑っていいとも」かなんか見ながら「明星一平ちゃん」をすすったそのまんまの気分でダラダラ読み始めたりする…
小説・エッセイ
2011/9/19
アンソニー・バークリーの「毒入りチョコレート事件」は、推理小説です。そう書かなくとも、まさかこれを恋愛小説だと思う人はいないとは思いますが。このタイトルでめく…
小説・エッセイ
2011/9/18
いまお笑い芸人ていうと、ボケとツッコミに分かれた二人組が主流で、似たようなボケに似たようなツッコミを延々とテレビではくり返して飽きもしないけれど、僕ら少年時代…
小説・エッセイ
2011/9/16
82年制作の映画「ブレードランナー」は、都市論や物語論などに多くの革新的イメージを与えたものだが、人間てのは記憶のことだというまったく新しい人間観も作り出してし…
小説・エッセイ
2011/9/15
聖書物語というのは、ガチ聖書ではなくて、聖書に載ってるいろいろなお話を短く分かりやすく書き改めて一冊にまとめた入門書、ダイジェスト版、まあそういったものですね…
2011/9/6
2011年7月26日、日本SF小説界を代表する作家・小松左京が逝去されました。 東北地方太平洋沖地震発生の年の鬼籍入りは、なにやら暗示めいた偶然の一致を感じさせずにお…
小説・エッセイ
2011/9/5
夢野久作「ドグラマグラ」中井英夫「虚無への供物」そしてこの小栗虫太郎「黒死館殺人事件」は、ミステリーにおける日本三大奇書といわれている。 いわれているだけあって…
マンガ
2011/9/4
怖いくらいに意味のある偶然の一致って知ってますか。ま、チョコボール食べてて2度続けて金のクチバシが出たとか、その程度じゃありませんのよ。神様が導いたんじゃないの…
小説・エッセイ
2011/9/4
わたしは井伏鱒二の作品がたいへん好きで、選集と全集を二度にわたって購入している。エライ散財である。 なぜ二度も買い集めたかというと、一度目が「井伏鱒二自選選集」…
小説・エッセイ
2011/8/31
息子はひきこもりで家庭内暴力、妻は不特定多数の男と不倫をくり返し、自分もとうとうリストラの憂き目に会い、家族はバラバラ。 「死んじゃってもいいかなあ、もう」 そ…
小説・エッセイ
2011/8/26
ちょいと前に「カラマーゾフの兄弟」の猛烈なブームがあって、ドストエフスキーの名前も以前よりは知られるようになったわけですが、「暗い、深刻、長い」の3ポイントが特…
小説・エッセイ
2011/8/14
「ダ・ヴィンチ・コード」でおなじみになった「暗号」「付合」「法則」という意味のコードという言葉。実はこのコードが人の手に芸術作品など意外に、生物の形や、人類史…
2011/8/12
1960年代中期の日本SF黎明期において、すでにこんなスケールの壮大な傑作の書かれていたことに驚きを禁じ得ないのです。ここにこめられている思いは、命と死、宇宙と人…
小説・エッセイ
2011/8/12
容疑者に犯行の事実を認めさせ自供させることを、警察業界用語で「落とす」とか「落ちる」とかいいますよね。でこれが、ほぼ「落ちて」るんだけど、ある一部をどうしても…
小説・エッセイ
2011/8/11
事実は小説よりもというけれど、たとえば電車の中などでけたたましくけったいな言動に走る人物にぶつかったりすることがよくあるはずだ。 わたしはかつて乗り込んでくるな…
小説・エッセイ
2011/8/10
わたしは「マンガで読破」シリーズのちょっとしたファンである。 よほど覚悟しなければおいそれと取りかかれないような剣呑な大著や、脳みそが蝶結びになりそうにむずかし…
ニーチェ
2011/8/4
かの宮沢賢治のはてしもなく有名な作品「雨ニモマケズ」で、わたしは昔から不思議でならないことがあり、なぜ誰も指摘しないのだろう、それというのも、元気で頑張ろうと…
2011/8/3
怪しげなものが性懲りもなく好きなわたしがもちろん大好きなのはオーパーツである。大きな部品のことではない。「それはそこにあっちゃなるめえ」物体のことである。 たと…
2011/8/3
「神曲」の原タイトルは「La Divina Commedia」で、まあ「神的には、喜劇」みたいな感じでしょうか。 なんで喜劇かというと、14世紀当時高級な文学はラテン語で書かれてい…
ダンテ
2011/7/31
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