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半村良

職業・肩書き
作家
ふりがな
はんむら・りょう

「半村良」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

小説の世界が著者の現実を侵すヘンテコきわまりないSF

小説の世界が著者の現実を侵すヘンテコきわまりないSF

同じ著者の「亜空間要塞」とともに70年代SFの奇書といわれている小説です。 そうやって亜空間要塞事件も終了し、どうやってかは「亜空間要塞」のレビューを読んでいただくとして、とりあえず作者の半村良も筆を置いたのであります。

自宅近くの豪徳寺あたりを散歩しながら、紅葉を愛で、1歳になった我が子のことを考え、それでも万年筆のキャップをとって新しい原稿に取りかかる日々、時には麻雀仲間が集まる予感に気もそぞろ、そんなとき見知らぬ客が訪ねてきた。

読者のひとりだろうと話し始めると、自分は吉永佐一だという。「亜空間要塞」の登場人物だ。細部は違うが私たちは「亜空間要塞」に行ってきたのです、しかもそのことは1年も前にあなたがあの本に書いてしまっている、とそんなことを抜かすのです吉永は。いよいよ妖しくなってきた。ほんと違うのは僕らは3人組で、そういうからには半村自身も含めた4人組にやっぱりなって亜空間要塞への冒険がここからはじまるという寸法であります。

この作品のヘンテコなところは、半村がみずからの作家生活を綴る私小説のような形をとりながら、実際の諸作家の名前や受賞した…

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SFをパロディするビックリ仰天の“破格SF”

SFをパロディするビックリ仰天の“破格SF”

続編の「亜空間要塞の逆襲」とあわせて70年代SFの奇書といわれた小説です。奇書というより遊書といったほうがふさわしいかと僕は思いますが、ま、ともかくあらすじです。

SF好きな4人組のひとり、山本麟太郎の叔父・浄閑寺公等が20数年の行方知れずののち忽然として伊豆の屋敷にあらわれた。どこからどうやってたどり着いたのか皆目見当もつかず、さながら降って湧いたごとくであった。4人組はさっそく現地へ出かけ調査にあたるが、庭に卵大の歪んだ空間が浮かんでいるのを発見、多宇宙へ繋がる亜空間と断定した夜、4人はUFOに襲われ異次元宇宙へ飛ばされる。そこには、ジョーカンジーという名の神が祀られており…。

と、これだけ読めばさながらアドヴェンチャーSFのおもむきなれど、実はこのメインキャラの4人組の名前というのが、山本麟太郎、吉永佐一、伊東五郎、三波伸夫となっておりまして、うしろの2名、これは当時とてつもない人気コントトリオだった「てんぷくトリオ」の伊東四朗、三波伸介をもじっているわけで(なんで3人目の戸塚睦夫さんのもじりが登場しないかというと戸塚さんは早くに亡くなられてし…

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「半村良」の本・小説

冒険の森へ 傑作小説大全 4 超常能力者 (冒険の森へ傑作小説大全 4)

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作家
小松左京
半村良
出版社
集英社
発売日
2016-08-05
ISBN
9784081570348
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戦国自衛隊―シナリオ (角川文庫)

戦国自衛隊―シナリオ (角川文庫)

作家
半村良
鎌田 敏夫
出版社
角川書店
発売日
1979-11-01
ISBN
9784041375990
作品情報を見る
戦国自衛隊1549 (角川文庫 ふ 24-1)

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作家
福井晴敏
生頼範義
半村良
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2009-11-25
ISBN
9784043943142
作品情報を見る
路地裏人情―市井小説集1 (時代小説ベスト・セレクション 第3巻)

路地裏人情―市井小説集1 (時代小説ベスト・セレクション 第3巻)

作家
池波正太郎
伊藤桂一
平岩弓枝
藤沢周平
半村良
宮部みゆき
北原 亜以子
隆慶一郎
村上元三
出版社
講談社
発売日
1994-05-01
ISBN
9784062549035
作品情報を見る

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