おおや・ひろこ●1964年生まれ。書評家。名古屋在住。 雑誌・新聞への書評寄稿や文庫解説の他、ブックナビゲータとしてラジオ番組にレギュラー出演。名古屋を拠点に活動し、読書会などのイベントも主催している。増殖する紙の本に耐えかね、電子書籍へぐいぐい移行中。著書に『脳天気にもホドがある。』(東洋経済新報社)がある。
ある一軒の家を舞台にした連作形式のゴーストストーリー、つまり幽霊屋敷の話である。しかし恩田陸が怪談を書くと、こうも優雅に、エレガントになるのかと驚かされる。し…
小説・エッセイ
2014/3/9
キー局の報道部で活躍していた深見百太郎は、ある事件をきっかけに局を辞めるはめになる。再就職しようにも大手放送局はどこも雇ってくれない。そんな百太郎が流れ着いた…
小説・エッセイ
2014/3/7
今をときめく人気ミステリ作家による、オール新作のアンソロジーの3巻目である。紙では毎年年末の恒例だが、いずれもやや遅れて電子化されており、こちらは少し遅いお年玉…
小説・エッセイ
2014/3/3
樋口一葉の師として知られる明治の歌人・中島歌子。物語は明治後期、彼女の弟子・三宅花圃が、歌子の手記を見つけるところから始まる。そこには、いつまでも娘のように奔…
小説・エッセイ
2014/1/15
今年の大河ドラマ『軍師官兵衛』の第1回放送の最後に、桶狭間の戦いについての話を少年官兵衛が聞くという場面があった。「今川の首をとった者より、今川のいる場所を信長…
小説・エッセイ
2014/1/15
風太郎は、「ふうたろう」ではなく「ぷうたろう」と読む。とっぴんぱらりのぷう太郎、だ。秋田や山形では、民話の最後を「とっぴんぱらりのぷう」という言葉で締めくくる…
小説・エッセイ
2014/1/14
杉本哲太&古田新太と言えば、2013年の話題をさらった「あまちゃん」のキーパーソン。そのコンビがまったく違った顔で画面に戻ってくる。杉本哲太は生真面目な警察官僚と…
小説・エッセイ
2014/1/12
コロンボが好きな人。古畑任三郎ファンの人。お待たせしました。あのタイプの新ドラマが登場だ。そう、まず犯人と犯罪場面を見せ、そのあとで刑事が謎を解く。見どころは…
小説・エッセイ
2014/1/6
お正月と言えば箱根駅伝。元日には実家に挨拶に行き、2日と3日は自宅で箱根駅伝に燃えるというお正月を、もう20年以上続けている。山の神のゴボウ抜きに興奮し、倒れて動…
マラソン
2014/1/1
新刊が出るたびに『このミステリーがすごい!』などのランキングで必ず上位に食い込む、大人気シリーズが電子書籍で登場だ。既刊から順次電子化され、今月(2013年12月)…
小説・エッセイ
2013/12/25
推理作家の法月綸太郎が名探偵として謎を解くシリーズの、第二短編集。警視の父から持ち込まれる事件を著者と同名の息子が解くという、エラリィ・クイーンと同じ方式を用…
小説・エッセイ
2013/12/6
貫井徳郎と言えば「油断できない」作品を書くイメージがある。読みやすさにホイホイついていくといきなりひっくり返されたり、前のめりで読んでたら突然後ろから膝カック…
小説・エッセイ
2013/12/3
ずしんと来る物語だ。差別はいけない。そんなことは分かっている。罪を償った者の社会復帰を妨げてはいけない。そんなことも分かっている。でももしあなたの親しくしてい…
小説・エッセイ
2013/11/20
家族や友人の死を体験すると、どうしても考えてしまう。あのときああしていれば、もっと早く病気に気付いたんじゃないか。あのときあそこに行かなければ、事故に遭わずに…
小説・エッセイ
2013/10/29
物語の冒頭に、こんな博打の場面がある。伏せたお椀が4つに、小石がひとつ。お椀のどれかに小石が入っている。子は、どれに入っているかひとつを選ぶ。親は、小石の入って…
小説・エッセイ
2013/10/14
昨年4月に、このコーナーで『東京バンドワゴン』のシリーズ1冊目をレビューしたとき、「懐かしき昭和のホームドラマのような味わい」と書いた。それもそのはず、そもそも…
小説・エッセイ
2013/10/8
個人的な考えを言わせてもらえば、アスリートはそのスポーツをやっているときが全てなのであって、来し方や考えは、まあ「どうでもいい」とは言わないが、さほど興味は惹…
オリンピック
2013/10/1
『ストロベリー・ナイト』でぐちゃぐちゃどろどろの猟奇殺人事件を描き、『武士道シックスティーン』で瑞々しい青春スポーツ友情ものを描いた著者が、更なる別の顔を見せ…
小説・エッセイ
2013/9/19
まず申し上げておきたいのは、この「プロジェクトX」の紙の書籍はもともと、1冊に6話分程度が収録されていたということ。この「首都高速東京五輪への空中作戦」は、『プロ…
小説・エッセイ
2013/9/18
自我と自意識に雁字搦めになっている思春期まっただ中の中学2年生。まるでそんな年頃のような言動を、いい年してやってしまうようなことがと言われるようになったのはいつ…
小説・エッセイ
2013/9/7
9月の声を聞き、ようやくあの猛暑も一段落してくれそうな気配がないこともないこともないという今日この頃。今月は3連休も2回あるし、外での行楽には夏よりもよさそう。と…
小説・エッセイ
2013/9/3
化粧品会社に勤務する美人OL・三木典子が斬殺された。会社で典子と組んで働いていた理沙は、さっそくそのニュースを知り合いのライター・赤星に伝える。赤星が調べていく…
小説・エッセイ
2013/8/31
和歌山県太地町。古くから捕鯨の町として栄えたところだ、という漠然とした知識はあった。しかし本書を読んで「こんな方法で捕鯨をしていたとは」と心底驚かされた。ここ…
小説・エッセイ
2013/7/16
デビューから2作連続で直木賞候補入り。今ジャンル内外両方から最も注目されているSFの書き手と言っていい。今回の舞台は架空の近未来だ。 収録作はそれぞれ、人種対立が…
小説・エッセイ
2013/7/15
北海道の東部。地方の小さな町にあるラブホテル「ホテル・ローヤル」。これはそのホテルを訪れた人たちをオムニバス形式で描いた連作短編集だ。だがそれだけではない。興…
小説・エッセイ
2013/7/14
マティス、ドガ、セザンヌ、モネ──美術史にきらめく星たち。彼らの作品のモチーフに、その背後にあったかもしれないドラマを、身近にいた者や縁続きの者の目を通して紡ぎ…
小説・エッセイ
2013/7/12
扉を開くと、登場人物紹介欄がある。いや、ちょっと待て。よくある登場人物紹介とは、なんだか見た目が違う。四角い絵だの写真だのの横に名前と、@のついたアルファベッ…
小説・エッセイ
2013/7/6
本書の原型である『新人賞殺人事件』が上梓されたのは1973年。実に40年も前だ。そこから大幅な改稿を重ねて創元推理文庫入りしたのは2004年である。それが昨年末、書店チ…
小説・エッセイ
2013/6/26
たとえば自転車ロードレースを描いた近藤史恵の『サクリファイス』や、飛び込み競技がテーマの森絵都『DIVE!!』のように、日本ではあまりメジャーとは言えないスポーツに…
小説・エッセイ
2013/6/20
電子書籍のメリットと言えば、嵩張らないこと、そしてどこでも読めること。これが最も実力を発揮するのが雑誌ではないだあろうか。好きな作品が載っているとバックナンバ…
2013/5/1
レビュー
TVアニメ第2期決定・累計3300万部『薬屋のひとりごと』。最新15巻は医療ドラマと大人の愛憎劇が見どころ!
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レビュー
20代前半の焦燥感、もがき続けたあの時間が詰まった青春小説。上手くいかない日々が綴られる『22歳の扉』
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レビュー
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