やや黄色い熱をおびた旅人
やや黄色い熱をおびた旅人 / 感想・レビュー
美登利
これは宗典さんが実際に経験した話なんだ。1997年、世界中の紛争地域にいる日本人の若者たちを訪ね歩くドキュメント。始めはただの物語だろうと思っていました。主人公は作家だけど宗典さんの雰囲気はそれほど感じられなかったから。後半に来て、エッセイにも繰り返し書かれていた病の症状の描写が出てやっとご本人なんだと理解しました。それから21年。今も戦争がしたくて傭兵志願する若者が居るのだろうか?その部分は読んでかなりの衝撃を受けたのですが。平和の為に海外に飛び立つ者に日が当たる一方で、少なからず居るのだろう。
2018/08/18
mami
21年前。まだ時代は20世紀の頃に紛争地域を訪れた原田さんのドキュメントをまとめたもの。番組のインタビュアーとして抜擢されたらしい。何故?そんなのプロのジャーナリストに任せたらいいのに、などと思いながら読み始めて気づいた。作家じゃなければ気づかない視点を求められたんだなって。実際読み終えた私は悲惨な事実よりも、デッサンされた花の件が強く印象に残った。21年が過ぎてもこの地球上で起こっていることは何の進歩もないのだなという無力感と共に。
2018/10/04
minazuki
書店で見て、なんとなく買ってしまった。カバーの黄色に引き寄せられたいわゆる「ジャケ買い」? でも、読んでよかった。1997年、NHKから「世界各地で『戦争と平和』にかかわる活動をしている若者たちを取材」するレポータ役を依頼される。黄熱病の予防接種を受け、各国をめぐる。タイトルの意味はそういうことだろう。読んだ感想はというと、まだ言葉にならない。もう少し考えてみたい。
2018/07/26
SGM
紛争地域を巡ったときのエッセー集。戦争はやっぱりよくない!のような感想では物足りないが、かといって様々な感情が去来するためなんとも表現が難しい。日本に住んでいることが本当にありがたいことだなと思う。スイッチひとつで電気がつき、蛇口を捻れば安全な水が出てきて、地雷の心配をせずに自由に歩ける。もちろんそれだからといって進歩や向上心を否定するようなことに至ってはいけない。戦争だって貧富の格差が拡大して起こることも多いのだから、国民は不断の努力で国家の安全保障を志向する必要がある。憲法にも明記されるからね。
2021/06/26
せーちゃん
黄熱の予防接種のエピソードから始まる、戦争で不安定な第3国を訪れた旅行記。原田先生は、ほぼ未読の作者。薬物で捕まった人、というイメージ。こういう心の傷がそうさせたのか、と思うくらい戦争のダメージは大きい。
2019/06/01
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- 出版社
- 光村図書出版
- 発売日
- 2022-08-05
- ISBN
- 9784813804147