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メメント・モリ (岩波現代文庫)

メメント・モリ (岩波現代文庫)

メメント・モリ (岩波現代文庫)

作家
原田宗典
出版社
岩波書店
発売日
2020-05-16
ISBN
9784006023249
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メメント・モリ (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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キク

20年くらい前はすごく売れていた原田宗典の本を久しぶりに見かけて、手にとってみた。タイトルのメメント・モリはラテン語で「死を想え」という意味。らしくないタイトルに「どうしたんだろう?」と裏表紙の紹介文を読むと、鬱病による長期スランプ、不倫相手との訴訟、家庭崩壊、自殺未遂、違法薬物使用での逮捕となかなかに壮絶な日々を過ごしていたらしい。薬物トリップや逮捕、精神病院への入院、アフガン内戦と重い内容が書かれているけれど、あの軽やかな文体はそのままだった。辛い時にこそ笑おうとしてるのは、僕の知ってる原田宗典だった

2021/11/06

駄目男

「メメント・モリ」とは死を想えという意味らしい。この作家は初読みだが、古書市で岩波現代文庫の作品というだけで買ってしまった。章立てがなく、一行開けたら次の話に移行していくという展開で、クスリ、逮捕、傭兵、うつ病と何の脈絡もなく、体験談を語っていくエッセー。他の人の書評など読むに、比較的みな好意的だが、どうも私には何がいいのか良く解らなかった。常にそういう意識を持ちながら読み終えた。然しこの人、原田マハの兄なんだて。知らなかったし、高校時代に志賀直哉を愛読して、友人からは「白バカ派」と揶揄されていたとか。

2021/09/28

メリンダ

私は10代後半の若い頃に原田宗典の小説やエッセイをたくさん読んだ。2000年ころには大学に講演に来てくれて、サインをもらった。背が高くて、体格ががっしりしていて、作品がおもしろいだけではなく、魅力的な人だと思った。 しかし、その後はパタリと作品の発表もなくなり、妹さんばかりが有名になっていき、どうしているのかと気になっていた。 まさか、その間にこんなに大変なことになっているとは思わなかった。今回、筆が進むママに書いたとあったけど、自分の知らないことばかりで夢中で読んだ。これからの作品も注目したい。

2023/05/06

hanuta

私小説とも手記ともとれる言葉がイメージを自在に変化させながら続いていく。映像的な表現が多く、パートごとに色や光が変化して明滅するような印象。とりとめのなさがそのまま衒いのなさに変換されている。読んでいて心地よい。回想パートの不気味さは『0をつなぐ』の頃の作品群を思い起こさせる。最終パートは明るい太陽光のような印象。また読み返したい。

2023/08/15

shouyi.

「メメント・モリ」とは死を想えという意味。結構有名な言葉らしく、この本の題名を検索したら、たくさんの本があがってきた。生死を彷徨う体験をした主人公は、死とは思っていた程には遠くにはなく、身近に転がっているものと実感、生きていることこそが奇跡と感じるようになる。漂う主人公の心のどんよりとした曇り空のような風景が不思議な魅力を感じさせる物語。

2021/04/23

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