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厠の怪 便所怪談競作集 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ひ 1-2)

厠の怪 便所怪談競作集 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ひ 1-2)

厠の怪 便所怪談競作集 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ひ 1-2)

作家
飴村行
岡部えつ
京極夏彦
黒史郎
長島槇子
平山夢明
福澤徹三
松谷みよ子
水沫流人
東雅夫
出版社
メディアファクトリー
発売日
2010-04-21
ISBN
9784840132893
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厠の怪 便所怪談競作集 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ひ 1-2) / 感想・レビュー

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モルク

題名の如く厠ぽっとん便所の怪談。臭気漂い、目がショボショボ、樟脳の大きなトイレボール、そして最低限の明かり、コバエが舞いウジがわく。生活するにおいて最も重要な場所であるにもかかわらず、怪談話が最も多い場所である。平山夢明「きちがい便所」は引っ越してきた一家が封印されていた便所を開けてしまう。そして父は…おぉ!クレイジー…そして飴村行「糜爛性の楽園」はまさに粘膜シリーズの世界観。これこれ!久しぶりに飴村粘膜にひたる。もう身体に臭いが染み付いたような気がする。

2021/10/11

ケイト

ポットン便所は薄暗くて汚くて、臭いが目にしみた。そういえばあの中から手が出てくるマンガがあった。平山さんと飴村さんの話が、想像以上に突き抜けていた。『きちがい便所』何で?思わず失笑!「ずずずー」ってもしかして…『糜爛性の楽園』わぁぁぁーー何これ、凄まじ過ぎて放心『縁切り厠』が良かったけどここで半日籠る…ムリ。松谷さんの『学校の便所』は正統派怪談。何年か前学食で友達がいないのを知られたくなくて、トイレで食べるって話聞いたけど…トイレがキレイになったからって、ここで食べるなんてやめましょうベンベン。

2021/09/22

sin

子供らは怖がり、大人は神様がいると言うその微妙な齟齬が恐怖を削ぐようだが…京極・嗚呼厭な昭和、手触りの解る情景に…。平山・ロロルイの便所あり…。福澤・何とも中途半端な幕引きに物語の情景が霞む…。飴村・禁忌、不快の紡ぎ手…。黒・糞便考察の果てに…。長島・飢えを知らない時代に感謝、この時代に飢える子ら、人らに涙を…。水沫・盛り上げて、納め方に不満あり…。岡部・正しく子孫を導く霊の優しさよ…。松谷・学校の怪談、貴重な資料あり…。東・便所怪談の記録なり…。

2023/07/15

モモ

なかなか強烈な厠の怪談。平山夢名『きちがい便所』娘の療養のために移り住んだ家。そこには封印された便所があって…。そこに関わってからの父の変貌ぶりと言動がすさまじい。妻や娘に言ってはいけないことを言う。長島槇子『あーぶくたった』天明の大飢饉の頃の辛い話。松谷みよ子『学校の便所の怪談』実在する学校の話が怖い。そして最後に東雅夫『厠の乙女』で『便所は「異界への入り口」であり「厠の怪」のルーツは古事記にまで逢着する』とあるのが興味深い。何とも言えないけれど盛りだくさんの内容が濃い一冊。

2021/07/27

みや

日常生活で絶対的に孤絶となる場所・便所をテーマにした小説8篇エッセイ2篇の怪談アンソロジー。京極夏彦、平山夢明、福沢徹三、飴村行の名前が並んでいるなら読まずにはいられない。トイレ・お手洗いと厠・便所で受ける印象が違うのは、ただの灯りの差ではなく、心身に植え付けられたもののように感じる。封印された便所で父親が狂っていく平山夢明「きちがい便所」が一番好き。不思議と口の中が酸っぱくなる。自分の想像力が憎らしい。様々な怪談話を集めた松谷みよ子「学校の便所の怪談」は馴染みあるものも多くて懐かしい気持ちになった。

2019/08/29

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