阿部和重×伊坂幸太郎「私小説として読んでいただいてもいい。僕ら二人が世界を救ったんです!」奇跡の合作小説『キャプテンサンダーボルト』待望の文庫化!
純文学のフィールドで活躍する阿部和重と、エンターテインメント小説界の雄として知られる伊坂幸太郎。二人が合作小説『キャプテンサンダーボルト』を電撃刊行したのは、2014年11月のことだった。本屋大賞にもノミネートされ話題を集めた同作がこのたび、上下巻の文庫版に。この機会に改めて、合作の成果を二人にうかがい、胸を張ってもらった。
自画自賛モード、入ります
———文庫化にあたり、自分たちが3年前に世に送り出した作品を読み返されたと思います。どんな感想を抱かれましたか?
阿部 時間も経っていますし、書いていた当時よりもずっと読者に近い距離感で読んだんですが、ものすごく面白かったです(笑)。
伊坂 僕もその感想しか出てこないですね(笑)。当時から「面白い」って二人で言い合ってはいたんですけど、「本当に面白いじゃん!」と。これが僕と阿部さんの本じゃなくても、全然知らない誰かの作品でもオススメできます。映画を観に行く代わりに読んでもいいんじゃない、って言いたくなりますよね。今の日本の小説で、こういった大作映画っぽいものってあんまりないような気がするので、貴重じゃない…