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茗荷谷の猫 (文春文庫)

茗荷谷の猫 (文春文庫)

茗荷谷の猫 (文春文庫)

作家
木内昇
出版社
文藝春秋
発売日
2011-09-02
ISBN
9784167820015
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茗荷谷の猫 (文春文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

江戸末期から高度成長期までの人々の何気ない生活を描く連作短編集。最初の短編は江戸末期から始り徐々に時代が進む。後の短編になるほど、それまでに登場した人々のその後が分かり時代の変遷と儚さを感じる。特に好きな短編は「庄助さん」。映画を撮影する青年と、明かされる支配人の過去。戦争が青年を夢から切り離す。時代は変われど、続いてゆく人々の暮らし。そこにかすかに漂う先人達の暮らしの匂い。その儚さに胸を打たれる。そして、同時に今の私達の暮らしもいつかは儚い記憶となることを思い出す。思い出した瞬間、感慨が大きくなるのだ。

2018/02/25

相田うえお

★★★☆☆19027 各短編がモヤっと繋がった奥深い話●夫婦、他人には分からない●黒焼き、効能は滋養強壮等?当方も魚を焼くと たまに黒焼きになる。滋養強壮どころか体に悪い●ザクロの皮は猛毒だから注意ね!●東京といったら何だろう?東京タワー?時代錯誤?●わかめスープの理研は理化学研究所ではない●独活の大木と言われるより馬鹿は死ななきゃ治らないの方が温情がある?●メチルアルコールを飲むと失明することから目散ると言われている●親が老いることは自分の事以上に受け入れ難い事だ●週末にコーラを飲むのが細やかな楽しみ

2019/03/24

酔拳

木内さんは、明治時代前後の時代を描くのがとてもうまいと思う。この小節は9編からなっていて、どの小説の主人公も大きなことをしようとしたり、懸命に生きていたりしている人を描いていますが、そのような人たちが、名すら残らず、時代に埋もれていってしまう様が儚いです。 9編の登場人物が微妙にからみあっているので、読んでいておもしろかったです。「染井の桜」で武士から植木屋になって、染井吉野を造った話はとても、興味深く読めました。

2017/01/02

とん大西

…良い。九つの連作短編、読ませます。それぞれがきっちりと完結しない。なんだか途中下車したような曖昧な結び。それが不思議と繋がる。不思議と心地よく読ませる。江戸末期から昭和30年代までを連綿とつむぐ人情の機微。人生の迷宮にもがく春造の悲哀、茗荷谷にさまよう文枝の哀切、ままならぬ耕吉の滑稽さ、母を慕う佳代子の後悔-とるに足らない日常の一片がときにリアルに、ときに幻想的に心と頭に沁みてくる。東京上空から人々の営みにカメラをまわし続けたような映像的で叙情的な90年のセピア。味わい深い読了となりました。

2020/08/16

じいじ@只今、リハビリ中

 幕末の江戸から昭和30年代の東京の町を舞台に9篇の物語で紡いだ連作だが、長い時間軸に沿った構想もユニークで読み心地が良い小説だ。個人的には、上野池之端を舞台の【てのひら】の話が気に入った。幼いころを厳しさとやさしさをもって育ててくれた母親が、上京して娘夫婦と再会する話。手作りの錦糸卵をのせたちらし寿司、東京見物、銀座資生堂パーラーでの食事のもてなし…、母を喜ばすことに一所懸命な娘の気持ちと、何事にも慎ましく遠慮がちな母親との食い違いが歯痒く切ないが、それがとても美しく胸が熱くなった。魅力ある作家ですね。

2017/10/25

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