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し (幻冬舎文庫 は 1-8)

し (幻冬舎文庫 は 1-8)

し (幻冬舎文庫 は 1-8)

作家
原田宗典
出版社
幻冬舎
発売日
2008-02-01
ISBN
9784344410916
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し (幻冬舎文庫 は 1-8) / 感想・レビュー

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真香@ゆるゆるペース

超絶シンプルなのにインパクト大なタイトルに、思わず目が釘付け。「子」「師」「歯」「刺」「死」など、いろんな「し」にまつわるエッセイ集。平仮名一文字で一番たくさんの意味を持っているのは「し」で、その数何と297個もあるのだとか。初期の頃のエッセイと比べると軽妙さはやや落ち着いたものの、ユーモア溢れる原田節は相変わらず。鋭い洞察力、絶妙な言い回しはやっぱり素晴らしいなと感心しながら、面白くてあっという間に読了した。最近は、妹の原田マハさんの方が脚光を浴びている感じだけど、私はやっぱり兄上の宗典さんが好き!

2020/03/25

新地学@児童書病発動中

「し」と読める漢字を主題にしたエッセイ集。「子」「師」「歯」といったどんな人にも馴染みの深い言葉が取り上げられている。前半は原田さん特有のユーモアは抑え気味で、感動的なエッセイが多い。特にお父さんの心臓の手術ことを書いた「死」は深い余韻を残すエッセイだった。心臓の大手術をうける父に原田さんがかけた言葉が泣かせる。原田家の家族の絆の深さを実感した。この絆は妹の原田マハさんの作品にも影響している気がする。後半になると笑いが戻ってくる。特に「覗」は死ぬほどおかしい。思春期の男の子の心情が巧みに書かれている。

2018/06/10

ろくでなし@ぐーたら中

63点 手にした本の中では間違いなく最短タイトル。五十音中、一文字で一番沢山の意味を表せる平仮名が「し」なのだそうだ。子、師、詩、歯、死・・とテーマの着眼にも唸る「し」にまつわる試み。エッセイの名手と評判の原田さんという事で笑う準備を万端に整えての開読もイヤイヤ実に深いことを言っておられる。充実した内容と含蓄に富んだ語り口で文章も親しみやすい。とかく「死」について語られる章は涙モノ。・・というしんみりもつかの間、最後にまーひどいお馬鹿なエピソードが。この振り巾も◎。あのね先生、パ○ツはとっちゃいけません。

2013/04/03

TSUBASA

平仮名で最も多くの意味を持っている字というのが「し」なのだそう。子、詩、師、死、誌、覗など色々な「し」をテーマにしたエッセイ集。それぞれ漢字の成り立ちを紹介しつつ、その「し」にまつわるエピソードを語る。着想はシンプルなだけに軽く読めて面白かった。お婆ちゃん歯医者の元を訪れたときの話「歯」が特に印象的。「歯はね、使えば使うほど丈夫になっていくんだから」という言葉から命も同じだと感じる感性が素晴らしい。また、「死」のエピソードが最近私が体験したこととそっくりだったので妙に共感してしまった。

2015/11/28

SGM

★★☆「し」という読みの漢字についてのエッセイである。取り上げられている漢字は、子、師、詩、歯、死、誌、姿、祠、刺、使、嗜、仕、氏、試、覗である。面白いものもあれば、やや重いものもあり、読み応えは十分であった。『「走ったりしたら、疲れちゃうじゃん」などと中二になる上の娘は実にクールに、もっともなことを言ったりする。確かに理屈はその通り。しかしその理屈は拡大して解釈していくと、「生きたりしたら、死んじゃうじゃん」という無意味な厭世主義に似通ってくることを、彼女はまだ知らない』(P18)

2017/04/02

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