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無情の世界

無情の世界

無情の世界

作家
阿部和重
出版社
講談社
発売日
1999-01-25
ISBN
9784062091312
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無情の世界 / 感想・レビュー

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ume-2

2編の短編と1編の中編の3作収録。「トライアングルズ」は狂気の世界に少なからず踏み込んだ男の手紙という形式。一方的な語りに途中で心が疲れる。「無情の世界」は現実と妄想の境界が危くなった高校生のネット相談形式。語られる内容が赤裸々でオブラートが無い。そして中編「鏖」(みなごろし)。これが最も分かりやすい。全ての問題を他者の責任にしてしまう人々の生き方を示しながら、単にそれを糾弾するだけではなく、そこから発生する破壊衝動に自身の自虐的な憧れも投影させる。責任転嫁の世の中に後味悪くなりながら、ある種の爽快感も。

2016/06/06

不純

表題作無情の世界は面白かったが、鏖はその上をいく面白さだった。暴力性と不条理をスピード上げてトリップさせていくような息つく間も与えてくれないシームレスな場面変換。結果的に血みどろになった後にいつものごとく、洋楽の歌詞を並べる展開に笑ってしまった。不条理が勢いよく踊っているこの凄みは阿部和重しかだせない。

2019/07/20

nakatta

登場人物への共感や感情移入とは別の力でいかに小説を読ませるのかということが試みられていると思う。「鏖(みなごろし)」はタイトルがカッコいい。タランティーノの映画『パルプ・フィクション』を思い出す。

2020/09/08

こまった

ADHDをこじらせてしまって活字(特にフィクション)が全く頭に入らなくなってしまい、リハビリのつもりでネットで数年ぶりに目にした阿部和重のこの短編集を本棚から引っ張り出す。100%恣意的な選択。意外とすんなり最初から最後まで読み終えたけど、登場人物のほぼすべてが狂気じみていて、現在進行形でメンタルのバランスを崩しかけている自分にはちょっときつかった。非常によく90年代の空気感を捉えていて、あの頃の若く、いきっていた自分を思い出し、それがまたひどく落ちぶれてしまった自分と対比させられて胸が締め付けられた。

2019/01/28

fab4pug4

過剰な自意識、もしくは弱さによって世間から転落してしまったひとをバカにするワケではなくユーモラスに描いている。少しの差異で容易に転落してしまうからこそ必死にしがみつく方も滑稽で、おかしいのはどちらかわからない恐怖がある。文章に地に足が着いていない感じがするし、瑞々しいとも言える。

2012/11/08

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