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バナールな現象 (集英社文庫)

バナールな現象 (集英社文庫)

バナールな現象 (集英社文庫)

作家
奥泉光
出版社
集英社
発売日
2002-05-17
ISBN
9784087474473
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バナールな現象 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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りー

腐った海老、鴉、オトーサン、アフリカの地図。何を言ってるのかわからねーと思うが僕も何を読んだのか全然わからねェ!という観念小説の様な読み味。Amazonのあらすじはイメージと全然違うから気をつけること。序盤は小市民木苺氏とその妻の妊娠騒動がコミカルに描かれていたのに途中からそこに腐った海老と鴉が何かのシンボルの様にちらつき始め、中盤以降は現実と妄想の区別がつかないまま物語は疾走し、ふっと火が消える様に終焉を迎える。同著者『石の来歴』の進化版といったイメージなので気になる様なら先にそちらをお勧めする。

2016/03/21

てふてふこ

湾岸戦争勃発時。大学と予備校で外国語教師として働く木苺優一。妻の出産を待ち、オトーサンを意識し、日記を書き始める。大学教師をサービス業と考えたり、答案を無くしたりと、クワコーの元がここにいました。徐々に複雑化し、哲学・道徳・妄想・虚構の世界。戦争と宗教、モーゼの話が巧く絡み合っている。とても自分好みで面白かったです。

2013/12/05

雨猫

悔しいがこれは殆ど理解できなかった。大学と予備校で講師を勤める木苺にはもうすぐ出産予定の妻がいる。木苺は産まれてくる子供のためにオトーサンになる準備を始め日記をつける。前半の木苺はクワコーを純文学にするとこうなるのかという感じ。しかしそこからが難解。湾岸戦争、鴉、海老、一体これらは何なのか。オトーサンになるという現実から逃げ出したいのだろうとは思ったが・・・?

2015/08/11

momo

「バナ―ル」とは、「陳腐な、凡庸な」という意味です。芥川賞受賞作「石の来歴」よりも少し前に完結された作品です。前半は、大学で非常勤講師をしている木苺勇一と妻の日常生活がユーモアをまじえて書かれています。ちょっとクワコ―を思わせる内容で面白いのですが、途中から少しずつ虚構と現実が入り混じり、難解になっていきます。後半で大きな仕掛けがあきらかになり、とても驚きました。読み終わるのに時間がかかりましたが、小説の可能性の大きさに圧倒されました。下敷きにされている大江健三郎著「個人的な体験」も読みたいと思います。

2013/09/04

月世界旅行したい

おもしろい。長編にしては短いのだろうけど、この作品はこの短さがいい。

2014/06/05

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