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雪の階(下) (中公文庫)

雪の階(下) (中公文庫)

雪の階(下) (中公文庫)

作家
奥泉光
出版社
中央公論新社
発売日
2020-12-23
ISBN
9784122070004
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雪の階(下) (中公文庫) / 感想・レビュー

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Kei

美しく流麗な設えの文章。華族、陸軍将校、雪ときて、二-二六事件。三島の憂国を思いおこす。しかし、物語は、清張のごとき列車ダイヤの謎を解きあかしつつ、彼の未完の天皇転覆説というもっと大きな謎を提示する。古事記の最初の神という血筋を軸足に、宮中、軍部、財閥、ナチスと絡み合い、あの時代の不穏を現す。フェムファタールの主人公とは対照的に、彼女の補佐役でもある健全な男女が、焦土となる日本を超える未来を暗示するのが救いである。人は時代という、儚い雪のごとき階に立っていて、そのひとずさりで世界は変わるかもしれないのだ。

2021/03/16

ゆきらぱ

物語の世界観を楽しめて満足です。惟佐子が自身は突飛な行動を取りながらもあまりに何にも動じないのが不思議ではありましたが。この不思議さをとにかく他人を圧倒させる美貌の持ち主という事で押し切られてしまったような気もする。二・二六事件と彼女がどう関係するのかが見どころ。

2021/02/18

uuuccyan

主人公である笹宮惟佐子はただの美しい深窓の令嬢ではない。数学が得意で囲碁が強く、周りの男性にも積極的に接近したりする。そして自身の「血筋」、紅玉院、二二六事件とパズルのピースがハマって、終結へ。兄への寿子の復讐は小気味良く、千代子と蔵原の関係もストーリーに厚みが増してよかった。

2021/05/06

白いワンコ

天体は徐々に『鳥類学者のファンタジア』から離れ、奥泉テイストを感じさせるアイテムも薄められていく。奔放な筆致と世界観は終息に向け雪のように静かとなり、伏線の回収こそ明朗でないものの、着地点は思いのほか穏やかだ。『鳥類学者~』や『ビビビ・ビ・バップ』と比べ、本作はより広く評価されるべき、されたい作品なのだろうかと感じた。それにしても解説の加藤陽子東京大学教授は何故、天皇論ばかりに頁を割いたのだろうか。あって然るべきワードを欠き、一心にその方向へ突き進む様は、些か滑稽であった

2021/03/21

ふぃすか

下巻に入った途端きな臭くなる物語。この話で一番怖いと思ったのは惟浩君の変化。もう洗脳だよコレ…。末裔ネタは伝奇の基本!ということで、フィクションとしてその手の話を読むのは好きなんだけど、マジ語りしてくる人がいたら多分全力で逃げると思います。夢見るのは自由だが世の中巻き込むのはやめてほしい。"設定"を事実として教えることの危うさを再確認。客観的事実ではないことをそう教えるからには何らかの意志が絡んでるわけで。笹宮伯爵は政局ばかり重視して揚げ足取りに終始する政治家は三流だと身をもって示してると思う。

2021/04/11

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