煩悩の子
煩悩の子 / 感想・レビュー
りょうこ
短目なのでサクサク読めた。子供の頃ってそんなに難しく物事を考えていたのかいなかったのか?思い返してみると、それなりに子供には子供の世界があって..その中で今思えばくだらないようなことで悩んだりしてたかなぁ?とちょっと思い出したり。ただここまで『死』を意識したことはなかったかな。初読み作家さんだったので、色々と新鮮でした!
2016/02/28
tokotoko
1970年代の福岡が舞台です。桐生極ちゃん(女子)の小学校5年生~6年生までの日々の物語です。と書くと、「ふーん!よくありそうな話」って・・・思われたかもしれません。けどね、彼女、ものすごーーい頭脳の持ち主です。インプットされたことをくまなく解釈し、悟って生きてます。その悟りっぷりがね、スゴすぎ!!大人以上かもしれません。「どんな人間!?」って興味を持たれた方は、ぜひ、この本で、極ちゃんに出会ってみてください。かなり刺激的な出会い・・・だと思いますが!
2015/07/28
いつでも母さん
11歳の長女『極』の約1年間のお話。11歳には11歳の煩悩があってね・・・って言うのがよ~く伝わるのだ。極・5年生、容姿・性格共に学校で生きにくいタイプだと思うのだが実に逞しい!そこがスカッとする(笑)家の中で妙に『達観』してるところも楽しいのだ。なのに、妹『兆』と寝るときに手を繋ぐなんてところは微笑ましい。面白く一気に読了でした。
2015/06/07
そうたそ
★★★★☆ 以前に「しょっぱいドライブ」で芥川賞を受賞したことは知っていたが、作品を読むのはこれが初めて。主人公の少女は自分と周囲との間に生じている何らかの「違和感」に気づいているが、それが何なのかはわかっていない。女子とうまくなじむことができないし、かといって男子となじめているかといえばそういうわけでもない。この多感な時期において、妙な落ち着かなさを感じている主人公の話。うまく言葉にできないが、「そうなのか」と思う部分と、「なんかわかる」と思う部分が半々。生きにくい世の中への皮肉に感じられる部分も多々。
2015/07/05
九月猫
1970年代の福岡。小学五年生になった桐生極(きわみ)の煩悩の日々。煩悩とは……の難しい意味は置いておいて、極の煩悩とは文字通り、「煩わしい」「悩み」。幸薄そうで怖い顏、目つきの悪さから先輩には目を付けられ、父はいい加減、先生はちょっと勘違い気味。家も学校もクラスメイトたちもつまらない。つまらないけど、時々笑い出したくなるくらい楽しくなったり愛しくなったり心配になったりもする。11年「も」生きてきたから死の事も考える。身に覚えのあったりなかったりする揺れる子ども心。シニカルな目線が妙に楽しかった。
2015/06/06
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- ISBN
- 9784813804383