インパルス板倉が品川祐に薦められて興奮した本とは?
「“この本絶対、お前、好きだわ!”と品川祐さんに薦められ、一気に読んだのが2カ月前。今もまだ興奮状態なんです」 壮大な仮想空間が創り出すスケール感に“こんな小説、読んだことない!”と、板倉さんが、今もその熱に浮かされているのは、昨年3月の刊行から出版界を騒然とさせ続けている高野和明の『ジェノサイド』。
「父の遺志を継ぐ創薬化学を専攻する大学院生と、暗殺任務と思しき正体不明の作戦に挑む傭兵、2人の視点で進みゆくストーリーで、特にのめり込んだのは、特殊部隊出身の傭兵・イエーガー視点の場面。もともと軍事ものが大好きなので“私はフォース・リーコンにいた”なんていう登場人物のセリフにも“ああ、あそこにいたんだ!”って、スッと入っていけた」
作中、怒涛のように繰り出される国際情勢、薬学、軍事、最先端の通信技術など、多岐にわたる分野の専門的記述は、読者に情報のシャワーを浴びせ続ける。
「さまざまな知識欲を刺激されますよね。でも遺伝子の構造についてはなかなか理解できず、立ち止まっては繰り返し読んでいました。あきらめて飛ばし読みしてしまったら、作品のリアリティ…