美しい国への旅
美しい国への旅 / 感想・レビュー
starbro
田中慎弥は、芥川賞受賞作『共喰い』に続いて、久々2冊目です。大量殺戮兵器で汚染された世界の物語。マザコン世紀末自慰小説といった感じで、興味深く読みました。個人的には嫌いではないですが、売れないと思います。
2017/02/03
優希
まさに情勢を映し出したような作品でした。将来の首相候補だった司令官はあの某首相の暗喩にも思えます。美しい国は、今掲げられている日本の行く末の目的ですが、この物語にかかるとどれだけそれを嫌っているのかが伺えます。ある意味で現在の政治批判と皮肉ととることができるでしょう。反自民政権の考えのもと書かれたという前提で読むならば、共感できる作品です。
2017/07/27
百太
ん゛~。この作品「美しい国」がつけてあるのが何を訴えたいのかが薄っすら透けて見える。 けどね。
2019/04/16
梟をめぐる読書
基地深くにいる「司令官」を抹殺するため“濁り”に覆われた世界を旅する主人公。それが原発事故後の日本に重ねられるものであることは明白なのだが、荒廃した国家で「夜盗」による非道な略奪が繰り返される世界観はマッドマックス以外の何物でもなく。やたら「顔の情けなさ」ばかりを強調される現首相をモデルにした人物の登場も、具体的な政権批判にはなり得ていない。ここは見方を変え、純粋結晶のような寓話として読まれるべきだろう。母を殺された少年が「犯される客体」から「犯す主体」へと生まれ変わる、暗黒ビルドゥングスロマンの誕生だ。
2017/03/21
クサバナリスト
題名からして安倍首相著『美しい国へ』を意識している。前作、同様に現在の我が国、安倍首相が導こうとしている世界への、著者の懸念を文学的表現で示したもの。個々の政策を批判するのではなく、『戦争、武力等』に関する方針に著者の怒りが感じられる。
2017/01/30
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- ISBN
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